カウンターの先鋒としてアーセナルを脅かしたガルナチョ Photo/Getty Images
守備戦術でアーセナルを苦しめた
プレミアリーグ第28節でアーセナルと激突したマンチェスター・ユナイテッド。ブルーノ・フェルナンデスが直接FKを叩き込んで先制するも、後半に1点を返されて1-1のドローに終わった。
しかしオールド・トラッフォードの盛り上がりはここ数試合とは異なる雰囲気があった。終盤のB・フェルナンデスのシュートはGKダビド・ラジャにすんでのところで防がれたものの、決定的なチャンスはユナイテッドの方が多かったかもしれない。
ユナイテッドは徹底的なローブロックを敷き、アーセナルの攻撃を跳ね返す。チャンスとみるや前線にロングボールを送り込み、カウンターからチャンスに繋げていた。
英『THE Sun』は、ルベン・アモリム監督の師匠ともいえるジョゼ・モウリーニョを模倣した戦術でアーセナルを翻弄したと報じた。アーセナルにボールを握られはしたが、枠内シュートは6本ずつと互角。90分を通して相手陣内で平均ポジションをとっていたのはFWアレハンドロ・ガルナチョただ一人であり、逆にアーセナルはCBの2人を除く全員の平均ポジションが敵陣にあったが、そのぶんアーセナルの後方には広大なスペースができていた。これをうまく突いてユナイテッドはチャンスを作り出し、ホームのサポーターたちは久々に湧き上がった。
アモリム監督は試合後『sky sports』のインタビューで、ローブロックのスタイルでプレイしたかったわけではないが、必要なことだったと語った。
「我々はうまくやったと思う。もちろん、このように守備をしすぎて相手にボールを渡してしまうプレイがしたいわけではない。しかしすべての試合、すべての問題、選手たちの特性を考えると、リンデロフには多くの距離をカバーさせたくないが、カゼミロはこのようなタイプの試合に慣れている」
「適応し、勝てる試合を想像しようとしたんだ。
「PSV戦では相手がマンツーマンでプレッシャーをかけてきた。こういう試合では、PSVは勝つのは難しい。ローブロックなら相手をコントロールでき、トランジションでは優秀な選手が何人かいる。ガルナチョは本当に完璧な試合をしてくれた」
ガルナチョはカウンターの先鋒として、アーセナルのゴールを何度も脅かしていた。結果的にはドローとなったが内容で考えるとユナイテッドの試合だったと言ってもよく、アモリム体制ベストパフォーマンスの1つだったと言えそうだ。