マンチェスター・シティのドク photo/Getty Images
新たな形を模索中だ
プレミアリーグ第33節ではエヴァートン相手に勝利を収めたマンチェスター・シティ。終盤まで相手の堅守を崩せずにいたが、後半から投入されたジェレミー・ドクとマテオ・コヴァチッチが仕事をし、チームを勝利に導いた。
直接得点にはかかわっていないものの、ドクは得意のドリブルからエヴァートン守備陣を切り裂いた。投入されたのが78分と相手が疲れているタイミングで登場するドクの破壊力は凄まじく、わずか12分のプレイタイムで3度のドリブルを成功させている(データは『SofaScore』)。
このように攻撃面で存在感を示しているドクだが、第26節のリヴァプール戦から5試合連続で先発したにもかかわらず、エヴァートン戦含めて直近の3試合はベンチスタートとなっている。指揮官であるペップ・グアルディオラ監督は『Sky Sports』にてその理由を説明した。
「ここ最近の試合では彼(ドク)に対してとても不公平な対応をしていた」
「ただ、彼が最近先発していなかった唯一の理由は、WGを使って攻撃しなかったからだ。SBを大外に配置し、中盤に多くの選手を配置していたんだ」
「エヴァートン戦での彼のインパクトは素晴らしかった。ファイナルサードでのジェレミーは止められない」
ペップ監督はケビン・デ・ブライネを偽9番で起用するようになってから大外で幅を取る選手を変えている。5-2の逆転勝利となったクリスタル・パレス戦が顕著であり、左はオマル・マルムシュ、右はジェイムズ・マカティが先発している。
彼らは大外だけでなくインサイドでもプレイできる選手たちであり、ドクやサビ―ニョといったドリブラーとは異なる良さを発揮していた。突破力という点では劣るものの、流動性であればこちらに分があり、パレス戦の攻撃陣は以前のようなシティらしい攻撃を披露している。
終盤に投入されるジョーカーとしてであればすでにドクは地位を確立しているが、先発となるとまた異なる評価となる。ペップ監督が純粋なWGを採用しない戦術を取り始めたのも、ドリブラー陣のパフォーマンスが影響しているのかもしれない。