レヴァークーゼンで結果を出してきたアロンソ photo/Getty Images
レヴァークーゼンとは仕事の難易度に違いも
今季限りでレヴァークーゼン指揮官を退任することが決まったシャビ・アロンソ。新天地には古巣レアル・マドリードが有力視されており、名将カルロ・アンチェロッティからバトンを引き継ぐと見られている。
アロンソは昨季レヴァークーゼンをブンデスリーガ&DFBポカールの2冠に導いており、指揮官としての評価は極めて高い。今のブンデスリーガで絶対王者バイエルンからリーグタイトルを奪うのは特別なことだ。
レアルの指揮官にふさわしい人物とも言えるが、スペインサッカーに詳しいギジェム・バラゲ記者はレアルでの仕事は想像以上に難しいものになると予想している。今季チャンピオンズリーグを落とし、国内リーグでもバルセロナにリードを許すレアルでは、来季へやるべきことが数多くあるのだ。
「アロンソはレヴァークーゼンでの成功で評価が上昇し、マドリーの世代交代をリードできるだけの戦術&メンタル能力があると期待されている。しかし、アロンソがレアルで直面する課題はあまりに大きい。彼は流動的なチームを引き継ぐことになり、まずはムバッペとヴィニシウスの関係のバランスを取らなければならない。加えてエンドリックやアルダ・ギュレルといった若手をチームに統合し、古参のベテラン選手たちから世代交代を促しつつ、トロフィーを狙っていかなければならないのだ。即座の成功を求める厳しいファン層、不可能な要求をしてくるメディア対応も上手く乗り越えなければならない。アロンソには戦術的な才能があるが、それだけで上手くいかないのがマドリーだ」(『BBC』より)。
一部ではアロンソがレヴァークーゼンで使用していた[3-4-2-1]をレアルでも採用するのではないかとの見方もある。アンチェロッティ体制では4バックがメインシステムだったが、3バックに変える場合はムバッペ、ヴィニシウス、ジュード・ベリンガムといった主力プレイヤーたちの関係性はどうなっていくのか。
何より今季は最後までムバッペとヴィニシウスの連携に悩んだところがあり、まだ100%の完成度とは言えない。負傷者が続出した最終ラインには新戦力を加える必要があり、トニ・クロースが抜けた中盤ではゲームメイカーも必要になる。
レヴァークーゼン時代よりプレッシャーが大きくなるのは間違いないが、アロンソはレアルが前へ進むうえで最適な指揮官なのだろうか。