資金繰りに苦労するユナイテッド Photo/Getty Images
現実的な決断だ
マンチェスター・ユナイテッドに少数株主として参入したINEOSが、経費削減の一環としてヨーロッパリーグ決勝戦へのスタッフ招待を取りやめたことが明らかとなり、クラブ内部で失望の声が広がっている。
『CentreDevils』によれば、日本時間5月22日に開催されるUEFAヨーロッパリーグ決勝について、クラブはスタッフへのチケット配布を中止したという。
INEOSはクラブ買収以来、コスト削減を最優先事項として掲げてきた。200人規模の人員削減を含む改革を発表し、クラブの“顔”であったサー・アレックス・ファーガソンのアンバサダー契約も打ち切った。これら一連の方針はスタッフやサポーターの強い反発を招いているという。
しかし、クラブの対応は一貫して“節約重視”の姿勢を崩していない。BBCのジャーナリスト、サイモン・ストーン氏によれば、選手たちに配布される無料チケットは一人当たり2枚のみ。15,000枚の割り当てをなるべく多くのサポーターに回すというのがクラブ側の言い分だ。
なお、同じくCL決勝に進出したパリ・サンジェルマンでは、ナセル・アル・ケライフィ会長が全スタッフ600人に無料チケットと旅費を提供することを約束したようだ。この“格差”も、ユナイテッドスタッフにとっては無視できない現実となっている。
クラブ関係者は「陰で支えてきた人々が、過去の浪費のツケを払わされている」と語っており、内部の士気低下は避けられない状況にある。長年のクラブ文化が大きく変化しつつある今、INEOSの改革は果たして復活へ向けての希望なのか、混乱を引き起こすのか。