今季のリーガを制したバルセロナ photo/Getty Images
ダイレクトなサッカーとポゼッションの融合
近年ではポゼッション率にこだわるチームは減り、ポゼッションサッカーのトレンドは消えたように思える。しかし、今季ハンジ・フリックの下で成功を収めたバルセロナには『ティキ・タカ』に近い考えも残っている。
ジョゼップ・グアルディオラが指揮していた頃のチームとは違いもあるが、フリックのチームは縦に速い展開を志向しつつも、ポゼッションも捨てていない。
スペイン『Mundo Deportivo』は、ダイレクトなサッカーとポゼッションサッカーが融合したところがあると現在のチームを評している。
実際、今季のバルセロナは国内リーグでNo.1となる69%の平均ポゼッション率を記録している。全コンペティションを合わせても、ここまでの59試合中56試合は相手よりポゼッション率が高くなっている。
グアルディオラ時代との共通点があるとすれば、カンテラ出身者が増えていることだ。FWラミン・ヤマルを筆頭にDFパウ・クバルシ、MFガビ、マルク・カサドなど、彼らにはバルセロナの哲学が浸透している。カンテラ出身者ではないが、スペイン代表MFペドリもアンドレス・イニエスタを思わせるテクニシャンであり、ボールを奪う力も成長している。
彼らは相手のプレスをかわす高度なテクニックを備えており、そこにフリックは最終ラインを極限まで高くしたハイラインサッカーを植え付けた。背後に大きなスペースは出来るものの、プレスが上手く機能すればボールロスト後すぐにボールを回収できる。結果的にポゼッション率が高くなり、相手を自陣に押し込む支配的なサッカーが可能となる。
ただポゼッションするだけのサッカーに意味はないが、バルセロナのようにテクニシャンが揃うチームにとっては大きな武器になる。それを実感するシーズンだったのではないだろうか。
来季さらに磨きがかかれば、バルセロナは再びサッカー界を支配できるかもしれない。
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