ミュラーはバイエルンのレジェンドプレイヤーとなった photo/Getty Images
それに待ったをかけたのは
バイエルンのアカデミーを経て、2008年のトップチームデビューから今夏までバイエルン一筋を貫いてきたFWトーマス・ミュラー。
バイエルンでは実に756試合を戦っており、クラブを代表するレジェンドプレイヤーの1人として今夏バイエルンを去ることになる。
ただ、若い時には退団の可能性もあったという。それがデビューした2008年のことで、当時クラブを指揮していたユルゲン・クリンスマンの構想には入り切っていなかったのだ。
独『Kicker』によると、当時のミュラーにはホッフェンハイムが獲得に動くとの話題があったという。それに待ったをかけたのが、バイエルンのセカンドチームで監督を務め、その後アシスタントコーチなども務めてきたヘルマン・ゲルラント氏だ。
「当時クリンスマンがミュラーにチャンスを与える可能性が低く、ミュラーがホッフェンハイムへ移籍するだろうとの話を偶然耳にした。当時バイエルンは350万ユーロを受け取るはずだったようで、当時としては大金だ。しかしミュラーは常にゴールを決められる選手だから、残留すべきだと言ったんだ」
同氏はこのように振り返っているが、今思えばこの判断は大正解だったと言える。ミュラーは翌シーズンの2009-10シーズンからいきなり19ゴールを記録するなど、ゲルラント氏の見方通り抜群の得点感覚を示してきた。
その後バイエルンの指揮官に就任したルイ・ファン・ハールの下で本格ブレイクを果たすことになり、そこからは絶対戦力であり続けた。若手の売却で350万ユーロの売却益は悪くない金額ではあるが、その後の活躍ぶりを考えれば350万ユーロ程度では絶対に手放してはいけない選手だったと言える。