CWCを制したチェルシー Photo/Getty Images
3強に比べると見劣りがするが
アメリカで開催されていたクラブワールドカップの全日程が終了し、王者はイングランドのチェルシーとなった。決勝で相見えたパリ・サンジェルマンはUEFAチャンピオンズリーグを圧倒的な強さで制しており、前評判はPSGに傾いていたが、それを覆してみせた格好だ。
では、8月中旬より新シーズンが始まるプレミアリーグでは、チェルシーはどんな立ち位置なのだろうか。
おそらく多くの人が、今季のプレミアを制するのはリヴァプール、アーセナル、マンチェスター・シティのいずれかだと考えているだろう。3クラブとも順調に補強が進んでおり、選手の質も選手層の厚さも申し分ない陣容となりつつある。チェルシーはここに割って入れるのだろうか。
『Daily Mail』はチェルシーの戦力をポジション別に検証しているが、懸念点の1つはGKだと指摘している。リヴァプールのアリソン・ベッカー、アーセナルのダビド・ラジャ、シティのエデルソン・モラエスはいずれもリーグトップクラスの実力者。しかしチェルシーのロベルト・サンチェスはそれよりも劣るとの評価が下されることが多い。PSG戦でも見せたように優れたシュートストッパーだが、現代のGKはそれだけでなくあらゆる要素を備えていなければならない。特にビルドアップの面でサンチェスはこの3選手には及ばない。
守備もやや劣る印象だ。レヴィ・コルウィルとトレヴォ・チャロバーのコンビはCWCでも実力を発揮したものの、リヴァプールのフィルジル・ファン・ダイク&イブラヒマ・コナテ、アーセナルのガブリエウ・マガリャンイス&ウィリアム・サリバが見せるパートナーシップにはまだ及ばないだろう。
しかし中盤では、3強に勝るとも劣らない陣容を見ることができる。
そしてストライカーという点では明らかに見劣りがする。リヴァプールにはモハメド・サラー、シティにはアーリング・ハーランドという圧倒的な得点源がおり、アーセナルもヴィクトル・ギェケレシュという待望の大型ストライカーをいよいよ迎え入れようとしている。リアム・デラップは才能あふれる若手だが、シーズン20ゴールが期待できるような存在とはいえないだろう。
とはいえ、これらの選手をどう活かすかでチームが化けるのがサッカーの面白いところ。すべてはエンツォ・マレスカ監督の采配次第だが、チェルシーは優勝候補の3強にどこまで抗うことができるだろうか。