インテルでプレイするバストーニ photo/Getty Images
4バックに対応できるCBが少ない?
現イタリア代表No.1センターバックといえば誰になるだろうか。現代サッカーに求められる足下の技術やロングボールの精度などを含めると、インテルDFアレッサンドロ・バストーニがNo.1と言えるかもしれない。
ただ、伊『Calciomercato』は「イタリアは真のDFを失ってしまった。バストーニがその典型だ」と現状を嘆く。バストーニはロングフィードなど器用な選手ではあるが、センターバックに本来求められるブロッキングや相手FWのマークなど課題が多いと同メディアは指摘している。
イタリアはジェンナーロ・ガットゥーゾを新指揮官に迎え、今月は2026ワールドカップ欧州予選でエストニア、イスラエルと対戦。エストニア戦は5-0の完勝だったが、イスラエル戦は5-4と激しい撃ち合いの末の勝利だった。攻撃陣は見事だが、イスラエル戦で4失点を喫した守備はまだまだ課題がある。
失点の原因がセンターバックだけにあるわけではないが、同メディアはオウンゴールを含めバストーニにもマークを外してしまった場面など怪しいプレイがあったと指摘している。
気になるのは4バックへの適応だ。バストーニがプレイするインテルでは、前任のシモーネ・インザーギ体制より3バックが浸透している。その中で積極的に前線にも顔を出すバストーニは理想的なDFなのだが、今月の代表戦でガットゥーゾは[4-4-2]のシステムを選んでいる。4バックになると、バストーニのCBとしての弱点が目立ってしまうと同メディアは指摘する。
かつてのイタリアにはパオロ・マルディーニやファビオ・カンナバーロ、アレッサンドロ・ネスタなど守備のスペシャリストがいた。
同メディアは「ストッパーと呼ばれた純粋な守備力を持つ選手は減少している。これは戦術革命の結果であり、アカデミーのコーチも他の側面に重点を置くようになったのだろう」とセンターバックのトレンドが影響しているとの見方を示す。
時間をかけて3バックシステムを熟成させられるクラブチームとは異なり、代表チームは集まれる機会が限られている。その際には足下の高度な技術よりも、センターバックとして相手FWを抑え込む守備能力の方が重要なのだろう。今のイタリアにはそうした守備のスペシャリストが少なくなっており、4バックで戦う場合は守備に問題を抱えることになるかもしれない。