「データ全盛の時代に手書きノート」 ドジャース山本由伸の独自...の画像はこちら >>

ドジャースの山本 photo/Getty Images 

話題は手書きノートから独自の調整法まで

ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が、打者の分析に手書きのノートを活用していることが海外で話題となっている。膨大なデータを収集できる現代野球において、独自の調整法を貫く山本に注目が集まっている。

話題のきっかけとなったのは、アメリカの野球ファンとみられるアカウントが紹介した山本の習慣だ。投稿では、山本がウェイトトレーニングを行わず、やり投げをウォーミングアップに取り入れ、打者の分析には紙のノートを使っていることが取り上げられた。

投稿者は、山本を「野球界最高の投手」と表現したうえで、ドジャースが山本に総額3億2500万ドルの契約を提示し、さらに師匠まで招いたことを紹介。「ドジャースは彼のやり方を変えるのではなく、師匠の矢田修氏を招くことを選んだ」と、その独自性を強調している。

山本のトレーニングを支えているのが、矢田修氏だという。投稿によると、山本はバーベルを使った筋力トレーニングの代わりに、やり投げや逆立ち、ブリッジ、呼吸法などを取り入れている。山本の獲得を目指したある球団が、調査の深さを示すため、球団ロゴ入りのやり投げ用の槍をプレゼントしたというエピソードも紹介された。

こうした独自の調整法は、マウンド上での活躍にも結び付いていると投稿者は指摘。昨年11月のワールドシリーズ第6戦で96球を投げた山本は、翌日の第7戦にも救援登板し、試合を締めくくった。

投稿者が特に注目したのが、山本の手書きノートだ。

現在のメジャーリーグでは、各球場に設置された多数のカメラなどを活用し、投球の回転や傾き、打者のスイング軌道といったデータを収集している。山本もベンチでタブレットを使ってこうした情報を確認できる環境にあるという。

それでも、山本は手書きのノートを使い続けている。

投稿者は、日本の野球育成では少年野球の段階から野球ノートをつけ、自分の言葉で打席の内容などを記録する習慣が根付いていると説明。データ分析では打者の平均的な傾向を把握できる一方、自分のノートには、その日の打席で相手がどの球にどう反応したのかを、投球ごとに記録できるという利点があると指摘した。

試合中に得られた情報を自分の言葉で整理することで、同じ打者と3度目の対戦を迎えるころには、データ分析部門が提供する一般的な情報とは異なる、自分だけの分析資料ができあがるというわけだ。

さらに、投稿者によると、チームメートのムーキー・ベッツも2シーズンにわたって山本の取り組みを見ており、今春からやり投げを始めたという。

最新鋭のテクノロジーによって選手の動きが細部まで分析される時代。そのなかで山本は、独自のトレーニングと手書きの記録を大切にしている。投稿は、データ全盛の野球界においても、自分自身で観察し、考え、記録することの価値を浮き彫りにしている。


編集部おすすめ