手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、地震・火山地質学を専門とする鹿児島大学の井村隆介(いむら・りゅうすけ)先生に「3つのタイプの地震」について伺いました。


地震には“3つのタイプ”がある!?「内陸型の地震」「プレート...の画像はこちら >>

※写真はイメージです



地震には3つのタイプがあります。そこで井村先生に、過去の地震、そして、これから起こるであろう地震を交えて解説していただきました。

まずは“内陸型の地震(=直下型の地震)”について、「(このタイプに該当する)阪神淡路大震災、熊本地震、能登半島地震はマグニチュード7台を観測しましたが、陸地がそれ以上の力に耐えられないので、これらよりも大きな地震はあまり起こらないんじゃないか、という考え方ができるかと思います」と言います。

一方、東日本大震災や南海トラフ巨大地震などが当てはまる“プレート境界の地震”については、「東日本大震災はマグニチュード9を観測し、これから起こることが予想されている南海トラフ巨大地震もマグニチュード9クラスになってくると、エネルギーとしては、熊本地震や阪神淡路大震災が1,000発ぐらい同時に起こるのと同じくらいのエネルギーが一気に放出されることになります」と説明。

プレートは年間で数センチほど動いており、他のプレートとのあいだで絶えず摩擦が起きています。そして、摩擦が限界に達すると、一方のプレートが跳ね上がったり、引きずり込まれたり、ずれたりして地震が発生します。
また、震源が海底で、かつプレートの跳ね上がりが原因で発生した地震は、津波の危険があり、その地震の規模が大きいほど津波も大きくなります。

そして3つ目に、4月17日(水)に起きた愛媛・高知の豊後水道を震源とする地震が当てはまる“沈み込んだプレートのなかで起こる地震”の特徴について、「地震が起こると“地震の波”は起こりますが、(震源が)深いところで起こるため、津波はなかなか起こりません。また(プレートが)沈み込んでいますので、浅いところで起こる地震よりもゆったり揺れるような地震になりますし、大きな影響を与えることはあまりないと考えられます。このように3タイプの地震は、起こり方やメカニズムが全部違うんです」と井村先生。

「内陸型の地震」「プレート境界の地震」「沈み込んだプレートのなかで起こる地震」といった3つタイプの地震があるということを、頭の片隅に入れておきましょう。

<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/