鷲見玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ALFALINK presents BRAND NEW LINK」(毎週土曜 7:00~7:25)。ひとつの成功に満足することなく、新たな分野へと越境し挑戦を続ける人。
既存の枠にとらわれず、業界に新しい潮流を持ち込み、ゲームチェンジを起こしてきた企業。そうした方々をゲストに迎え、挑戦にまつわるエピソードや発想の原点、そしてこれから目指すヴィジョンについて伺っていきます。

5月16日(土)の放送は、株式会社カワニシカバンプロダクト 代表取締役の川西功志(かわにし・あつし)さんをゲストに迎え、これまでのキャリアを振り返り、選ばれるブランドに必要なことについて話を伺いました。

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(左から)株式会社カワニシカバンプロダクト 代表取締役 川西功志さん、パーソナリティの鷲見玲奈



◆さまざまな職を経てカバンブランドを設立

香川県を拠点に活動するカバンブランド、カワニシカバンプロダクト。その代表を務める川西功志さんは、高級ブランドからプチプラ商品までバッグの品質をレビューするYouTubeチャンネル「カワニシカバンの休日」でも注目を集めています。下請け工場から、多くのファンに支持されるブランドへ。そこに至るまでには、意外なほど多彩なキャリアがありました。

高校卒業後、川西さんは自動車整備士として働き始めます。しかし、「思ったより楽しくなかった」と、理想と現実のギャップを感じて退職。その後は浄水器の訪問販売、夜の店のボーイ、パチンコ店員、シュークリーム店、古着屋、ウェブデザインなど、さまざまな仕事を経験していきます。

なかでも大きな転機となったのが、浄水器の訪問販売でした。自分自身が納得できていない商品を売ることに苦しさを感じ、「やっと売れたお客様に対して罪悪感があった」と振り返ります。
この経験から、「心からおすすめできるものしか売れない」という価値観が生まれ、現在のものづくりにもつながっていったといいます。

カバン業界に入った当初は、生産管理として工場と顧客をつなぐ役割を担当。しかし、つくり方を知らないことで職人たちとうまく信頼関係を築けず、「これはダメだ」と一念発起。製造技術を学び、職人としての知識も身につけていきました。

もともとは古着屋で働くなかで「服をつくれるようになりたい」と考えていた川西さん。そんなとき、カバン職人から「カバンがつくれたら、服もつくれるようになるぞ」と声をかけられ、この世界に飛び込みました。遠回りにも見えるキャリアについて、川西さんは「今の仕事で役に立たなかったことがひとつもないのは、自分の誇りというか、武器やなと思っています」と語ります。さまざまな経験が、現在のブランドづくりの土台になっているのです。

その後、勤務していた工場から独立を勧められたことをきっかけに、自身の工場を立ち上げます。当初は自社ブランドではなく、アパレルブランド向けのサンプル製作が中心でした。「形にするのはめちゃくちゃ得意だった」と語るように、まずは“つくる力”で実績を積み重ねていきました。

下請けの限界で「30%値上げ」したら仕事がゼロに…YouTubeで大逆転したカワニシカバンの「選ばれるブランドに必要なこと」

(左から)パーソナリティの鷲見玲奈、株式会社カワニシカバンプロダクト 代表取締役 川西功志さん



◆地道な積み重ねが信頼関係構築の礎となる

下請け工場としてスタートしたカワニシカバンプロダクトですが、転機は突然訪れます。
順調に見えていた一方で、川西さんは当時の工賃の安さに限界を感じていました。簡単なトートバッグでも工場の取り分は700円ほど。市場では1万円近くで販売される商品でも、製造側には十分な利益が残らない状況だったといいます。「これでは成り立たない」と考えた川西さんは、思い切って見積もりの30パーセント値上げに踏み切ります。しかし、その判断によって半年後には仕事がゼロになってしまいました。

突然の状況に直面し、「元の取引先に頭を下げて戻るのか、それとも自分たちのブランドをつくるのかで悩みました」と振り返ります。最終的に選んだのが、自社ブランドの立ち上げでした。しかし、新たな挑戦は決して順風満帆ではありませんでした。「作ることは得意だけど、知ってもらうことにはめちゃくちゃ弱かった」と語るように、無名のブランドをゼロから広げていく難しさに直面したといいます。

そんななかで始めたのが、YouTubeでの発信でした。最初は川西さん1人で、自社商品の紹介を続けていたものの、なかなか成果にはつながりません。活動を休止した時期もありましたが、YouTubeチャンネルを運営していた友人の協力を得て、再び本格的にチャンネルをスタートさせます。
すると徐々に再生回数が伸び始め、ブランドの認知も拡大。やがて視聴者から「もっと自社商品の紹介をしてください」というコメントが届くようになり、発信そのものがブランドへの信頼につながっていきました。

川西さんは、選ばれるブランドに必要なこととして、「一生懸命やること」「嘘をつかないこと」、そして「できる限り迎合しないこと」を挙げます。さらに、もうひとつ大切にしている考え方が「定期定量」です。YouTubeが軌道に乗る前から、毎日昼12時にインスタライブを配信。たとえ視聴者が0人でも続けていたといいます。川西さんは、「同じ時間に始まり、同じ時間に終わる。それが大事なんじゃないかと思っています」と語り、地道でも積み重ねることが、信頼やブランドづくりにつながるという考えを示しました。

<番組概要>
番組名:ALFALINK presents BRAND NEW LINK
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25(TOKYO FM / FM大阪)
パーソナリティ:鷲見玲奈
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/brand_new_link/
番組公式Instagram:@alfalink.tfm
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