幼児虐待のニュースが頻繁に流れるようになった昨今。子どもたちが危険な状況にさらされないよう、法律や条例などを設けて守ろうという動きが活発になっています。
今回は、深夜に子どもを連れて外食することに対しての感じ方について深堀り。条例制定に対しての反対意見についても、考えてみたいと思います。
■夜遅くに子どもを連れて外食…実際のところどう思う?
24時間営業や深夜まで営業しているような飲食店が増えたこともあり、小さな子どもを連れて夜遅くに外食をしている家族をたまに見かけます。実際にそのような家族・親子を見たことがあるという人も、少なくないのではないでしょうか。
筆者の個人的見解としては、“深夜の子連れ外食なナシ”です。もちろん、家庭によってさまざまな理由はあるかと思います。“お母さんの陣痛が始まった”や“家でケガをしてしまって救急病院に行っていた”など、どうしても夜遅い時間に食事をさせなければいけないこともあるかもしれません。でも、これだけ食べ物をテイクアウトできるお店が増えている中で、わざわざ“外食”にする必要はないのでは?と思うのです。
外食のメリットは、味うんぬん以外のことで言えば食事に関する準備や後片づけが一切いらないということだと思います。しかし、当たり前のことですが外食をすることによって、より一層帰宅する時間が遅くなります。
問題なのは突発的なケースではなく、子連れでの深夜外食が当たりまえのようになってしまっている大人の思考です。条例制定に関して、個人的にはそれほど悪いことではないとは思います。しかし、今問題視しなければいけない“子連れ深夜外食が常態化している大人たち”は、条例を制定しても今までと変わらないんだろうなと思う人も多いのではないでしょうか。
■小さい子どもを深夜外食に付き合わせることで起こりうる弊害
大人と一緒に行動せざるを得ない年齢の子どもたちは、親である大人が深夜に外食へ行くとなると、眠くても当然のように連れまわされます。外食先への移動中に居眠りをしたりして、ちょこちょこは睡眠をとっているのかもしれません。しかし、子どもには大人以上にしっかり睡眠を確保してあげないといけないもの。深夜外食が当たりまえになってしまっている大人たちに向けて、“子どもの成長が阻害されてしまう”という事実をもっと発信していくべきなのではないかと思います。
近ごろ、24時間営業自体を見直す動きも起きている日本。しかし、まだまだ眠らない街という印象が強く、実際夜遅くでも繁華街などへ行けばいくらでも食事をする場所があります。世界の先進国に比べて、圧倒的に睡眠時間が少ないと言われている日本の子どもたち。
子どもが睡眠不足に陥ると、脳の発達やからだの成長が阻害されてしまうという意見も。小さな子どもがいる家庭では、このような情報を目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。子どもの睡眠不足は、肉体的にも精神的にも将来的に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。子どもが健やかに育つためにも、深夜は外食に付き合わせたりするのではなく、しっかりと寝かせてあげることが親のつとめなのではないでしょうか。
■子連れ深夜外食禁止の条例制定検討に対して出た反対意見とは?
もっともな条例制定案のようにも見える、浦添市の動き。しかし、賛成意見と同じくらい反対意見が出たのも事実なのです。深夜に小さい子どもを連れまわして当たりまえのように外食する親が増えることで、子どもたちに多かれ少なかれ健康被害が出るのは確か。子どもたちが健康に育つために必要だということから、条例制定を後押しするような意見が出ました。
一方で、条例で深夜の子連れ外食を禁止してしまうことによって、新たな問題が生まれてしまうのではないかという反対意見も。条例が制定されると、小さな子どもを自宅に置き去りにして外食に行ってしまう親が増える可能性も上がってしまうのです。
■まとめ
簡単に“これはOK!これはダメ!”と答えが出せるような問題ではないので、根本的な問題が解決されるような仕組みができることがベストなのではないでしょうか。きれいごとではなく、子どもたちが安心して過ごせる世の中、大人が不安なく子育てできる世の中が生まれればいいなと思います。