可憐で上品な花を咲かせる多年草のクリスマスローズ。
植えっぱなしにしても毎年花を咲かせる丈夫な性質のため、特に手間をかけなくても大丈夫…と思いがちですが、お世話が不足すると開花しなくなる場合があります。
今回はクリスマスローズの花が咲かなくなる理由について、地植えと鉢植えのケースに分けて解説します。
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■地植えのクリスマスローズが咲かないワケ
■肥料切れ
庭に地植えしたクリスマスローズ、長年植えっぱなしで植え込み時に元肥を施したまま、何年も追肥していないということはありませんか。
地植えの場合は鉢植えほどこまめに追肥しなくてもしばらくは大丈夫。しかしクリスマスローズに限らず、どんな植物でも生育に栄養は欠かせません。
何年も経つと地中の肥料を吸収し尽くして栄養不足を起こしてしまいます。急に花が咲かなくなったら肥料を与えてみましょう。

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また油かすなど窒素が多い肥料を与え過ぎると、葉ばかり茂って花が咲きません。花を咲かせるためにはリン酸が多い液体肥料を使うとよいでしょう。
■株が生長し過ぎている
庭はスペースが十分あり旺盛に生育するクリスマスローズにとっては最良の環境。毎年どんどん生長して花をたくさんつけます。
しかし葉や花が旺盛に茂ると、株が蒸れて新芽が出にくくなります。カブの中央部分の生育具合が悪いようであれば、掘り起こして株分けし、新しい場所に植え替えましょう。
リフレッシュしたクリスマスローズは、再び盛んに花を咲かせるようになります。
■日照不足
クリスマスローズはやや日当たりに恵まれない半日陰でも育つ植物です。しかし基本的に植物が光合成を行うために日光は欠かせません。
クリスマスローズの生育期である冬から春にかけて日光不足になると、花を咲かせる力が弱くなってしまいます。庭に植える場合は、夏の日差しを和らげ、冬には光が当たる落葉樹の根元などに植えるのがオススメです。
■種を作り過ぎている
クリスマスローズは咲き終わっても花弁を落とさず種もできます。地植えにした大株のクリスマスローズは毎年たくさんの花が楽しめるでしょう。

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ただし開花後の花をそのまま放っておくと、種作りのために栄養分を消費してしまいます。子孫を残すために栄養を使い切ってしまうと、翌年の開花が期待できません。
種を採取する必要がない場合は早めに花がらを切り落とし、株の体力を温存しましょう。
■鉢植えのクリスマスローズが咲かないワケ
■株が若い
市販されているクリスマスローズのポット苗は、種をまいて1年経った未開花の2年生苗が多く、開花するまでには数年かかります。
クリスマスローズで寄せ植えを作ったものの、毎年葉が茂るだけでガッカリすることもあるでしょう。
■根詰まり
水分の吸収が遅くなったり、鉢底からなかなか水が流れ出なかったりという場合は根詰まりを起こしている可能性があります。鉢植えにした株は2年に1回を目安に、ひとまわり大きい鉢に植え替えましょう。
クリスマスローズは旺盛に根を広げるので、狭い鉢の中で根がグルグル巻きになっていることがあります。植え替える際は根を優しくほぐし、新しい根が出やすい状態にすることがポイントです。
■肥料不足
鉢植えは地植えと違い、限られたスペースで育っているので栄養が不足しがち。開花しなくなったり葉が小さくなったりしたら、肥料切れを起こしているかもしれません。

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肥料を与える頻度は地植えより多めにするとよいでしょう。鉢植えの場合、土を掘り起こして施す固形の化成肥料より液体肥料がオススメ。液体肥料は花を咲かせるリン酸を多く含んでいます。
10月~4月の生育期に月2~3回ほど与えるとよいでしょう。
■水分不足・乾燥

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クリスマスローズは夏の暑さや乾燥に弱い植物。
葉が広がると土が乾いていることに気づきにくいかもしれません。葉をよけて手で土の乾き具合を確かめ、カラカラになっていたら水を与えます。
冬に鉢を室内に取り込んで観賞する場合は、暖房の乾いた風が当たらないようにしましょう。
■まとめにかえて
毎年キレイな花を咲かせるクリスマスローズが、急に元気がなくなると心配になります。開花しないのはクリスマスローズからのSOSかもしれません。
原因を推測して正しく管理をすれば、再び元気を取り戻しキレイな花を咲かせてくれることでしょう。