■日経平均は2年半ぶりの9連騰



2022年3月25日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比39円45銭高の2万8149円84銭でした。9日続伸です。



9日続伸となるのは、2019年9月3日~17日以来です。



日経平均株価が9日続伸。ロシアのウクライナ侵攻続く中でも堅調に推移する、本当のワケとは

出所:日本経済新聞「日経平均株価」



ウクライナ情勢を巡り、予断を許さない状況は続いているものの、戦況が膠着していることから、いったんは投資家の懸念も落ち着いています。



米株が堅調なことに加えて、急速に円安が進み、自動車や輸送機など輸出関連銘柄が買われました。



今週の展開はどうなるでしょうか。



引き続きロシアによるウクライナ侵攻の問題が大きなリスクであることには変わりがありません。



ただ、このような局面にもかかわらず、株高傾向が続いています。



ロシアへの経済制裁や原油高などにともない、多くの企業の経営に影響が出ると思われますが、投資家の間ではすでに織り込み済みで、むしろその中での「買える材料」を探しているように思われます。



25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比153ドル30セント高の3万4861ドル24セントで終えています。



2月中旬以来の高値圏となっています。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。



ただ、足元では、ウクライナ情勢に加え、サウジアラビアの石油施設がイエメンの親イラン武装組織フーシ派のミサイル攻撃を受けるなど、地政学リスクも高まっています。



米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が大幅利上げの可能性を示唆するなど、長期金利も上昇傾向にあります。



何らかの材料で、相場が急に下落する可能性もあるので注意が必要です。



一方で、日本は比較的地政学リスクが低いことから、海外の投資家の資金が流入すると予想する声もあります。



様子を見ながらではありますが、上昇するようであれば付いていきたいところです。



いよいよ今週から4月、新年度です。



1日には3月の米雇用統計が発表されます。FRBの要人などの発言により、利上げが意識されれば、さらに円安・ドル高が進むことも考えられます。



■75日線も回復し、一時200日線も突破



先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。



先週は21日(月)が春分の日の祝日で休場。営業は4日間でした。



前週末に25日移動平均線を回復していたことから、先週はそれを維持できるかどうかがポイントでした。



実際には、25日線を維持しただけでなく、75日線も回復、さらに、一時200日線も突破しました。



今週以降の展開はどうなるでしょうか。



チャートの形はよくなっています。足元では、1月15日の高値(2万9388円)を始点とする短期的な下降トレンドとなっていましたが、そのチャネルの上限も超えました。



また、先週の上昇で、直近の戻り高値である2月10日の高値(2万7880円)も超えました。



このあたりは75日線とも重なっているため、抜けるのにややパワーがかかるところでしたが、すっと抜けてしまいました。



今後は、このあたりが下値サポートラインに転じることが期待されます。



今週、まずは心理的節目となる2万8000円を維持できるかどうか、さらに現在ローソク足の実体がかかっている200日線を抜けられるかどうかがポイントになります。



このあたりを抜けると、再度の3万円も視野に入ってきます。



ただし、3月上旬から急速に反転しやすいため、利益確定の売りも出やすいところです。



といっても、2万7000円まで下がったとしても、まだ1月15日からの下降トレンドにも達しません。若干の調整は押し目買いの好機と考えていいでしょう。