4月は契約書の送付など、書類関連のやり取りも増える時期です。
そんな時に配達記録が残り、対面で受け渡しが可能なレターパックは便利に使えますが、レターパックに大書されている「『レターパックで現金送れ』は全て詐欺です」のテキストが結構気になることはありませんでしょうか。
今回はこの文言について調べてみました。
■レターパックでは現金を送れない

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基本的に、郵便で現金を送れるのは「現金書留」だけです。
レターパックで現金を送ろうとすると、郵便法違反となります。
しかし、この事実は意外と知られておらず、高齢者にレターパックで現金を送らせようとする詐欺の手法が蔓延したことから、2014年頃から現在に至るまで、レターパックの本体に大書する形で注意喚起が続けられています。
そして、日本郵政では現金を送ろうとする動きに対して、
- 郵便局での引受検査の徹底
- X線検査装置を使用した内容物の確認
- 差出人への内容物の確認
- 警察への通報
といった対応で防ぐことを明言しています。
「外から見たらわからないから大丈夫」というわけではなく、場合によっては飛行機の搭乗時検査と同様に、X線検査にかけられてしまう可能性があることを踏まえましょう。
繰り返しにはなりますが、詐欺に加担していなくとも現金をレターパックで送るのは郵便法違反です。
罰金刑の対象になる可能性もあるので注意してください。
■現金以外に、レターパックで送れないものとは
現金以外で、レターパックで送れないものは下記の通りです。
■<送れないもの>
- 現金・貴金属等の貴重品
- 爆発物・毒劇物等の危険物
■<控えたほうが良いもの>
- ガラスや陶磁器などのわれもの
- 精密機械などのこわれもの
- なまもの・いきもの
- 芸術作品等代替品の入手が困難なもの
貴重品・危険物が送れないものであるのは当たり前である一方、「控えたほうが良いもの」の判断が難しい所です。
ただ、外からみて明らかに内容物が漏れているなど、様子がおかしい場合はそのレターパックの引き受けを断られるケースがあります。
注意しましょう。
■レターパックは土曜日も配達されるのか
意外と知られていないこととして、2021年10月に適用された郵便法改正の内容が挙げられます。
この変更内容は主に「普通郵便の土曜配達を休止することで、普通郵便の所要日数が1日繰り下がる」という内容でしたが、レターパックはオプションサービスを含む郵便であるため、この改正の対象外です。
つまり、従来通りレターパックの土曜配達は引き続き行われているということです。
送れる品名・重量に制限があるものの、土曜日も配達され、一部のコンビニでも取り扱いが可能なレターパックはちょっとした品物を配達記録付きで送るのに便利です。
ただ、一部「品名が原則的に自己申告」であるなど性善説で運用されている面もあり、判断に迷う面も無くはありません。
どうしても確実に届けたい場合は、郵便局の窓口で相談するのが最も確実といえるでしょう。
■参考資料
- 日本郵政グループ「ご注意ください! レターパックを使った詐欺犯罪が増えています 【※「レターパックで現金を送れ」は全て詐欺です。】」( https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2014/00_honsha/0703_01_01.pdf )
- 郵便局「レターパックで送れないものは何ですか?」( https://www.post.japanpost.jp/question/305.html )
- 郵便局「2021年10月から郵便物(手紙・はがき)・ゆうメールのサービスを一部変更しました。」( https://www.post.japanpost.jp/2021revision/ )