■金融機関やグーグルに就職できる早大の実力とは
日本を代表する私立大学である早稲田大学(早大)。その早大をめでたく卒業し、就職する先はどのような企業なのでしょうか。
■はじめに
今回対象の卒業者数は9,809人。同大学のキャリアセンターに進路報告があったのは9,528人。卒業生はかなりの比率で学校に進路を報告しています。このカバー率からは、大学側が卒業生の進路把握に努力していることがうかがわれます。そのうち就職したのが6,943人、進学が1,916人、資格試験等準備が220人、その他(活動中、未定など)が449人となっています。
また、同大の学部は、政治経済学部、法学部、教育学部、商学部、社会科学部、人間科学部、スポーツ科学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部となっています。
■100人超が採用された企業も。ランキングトップ10!
早大卒業生が最も多く就職した企業は「みずほフィナンシャルグループ」です。理系学部も含めて106人が就職しています。今回の開示データでは、政治経済学部から24人が就職をしており、同学部からの就職先としては東京都職員Ⅰ種の25人に続く人気就職先です。
第2位が、「三菱東京UFJ銀行」で99人。
第3位が、「東京都職員Ⅰ種」で84人。早大の立地もありますが、公務員が第3位にランクインしています。学部ごとの就職人数でいえば、政治経済学部が25人、法学部が15人、社会科学部が10人となっています。
第4位が、「東京海上日動火災保険」で81名。政治経済学部から15人、商学部から14人、法学部から10人、教育学部から10人が就職しています。
第5位が、「三井住友銀行」で67人。商学部から16人と最も多くなっており、次いで多いのが社会科学部、文化構想学部でいずれも9人となっています。
6位以下はどうでしょうか。
第6位は、「アクセンチュア」、「損害保険ジャパン日本興亜」、「三井住友海上火災保険」が同数で59人。第9位が、「国家公務員一般職」で55人。
■学部ごとの特徴はどうか。意外に多い公務員?!
では、開示されているデータから、学部ごとに最も就職者が多い企業や団体を見ていきましょう。
政治経済学部は、先ほどにもみたように「東京都職員Ⅰ種」が最も多く25人。早大を代表する政治経済学部から公務員への就職が最も多いというのは「早大はマスコミに強い」と考えている世代からすると意外に思われるかもしれません。ただ、慶應大学でも東京都は人気就職先となっており、早大に限った特徴ではなさそうです。
法学部は「国家公務員一般職」で24人。教育学部は「三菱東京UFJ銀行」で16人。商学部は教育学部と同様に「三菱東京UFJ銀行」で22人、社会科学部は「みずほフィナンシャルグループ」と「東京都職員Ⅰ種」がいずれも10人。人間科学部が「三井住友銀行」で7人。スポーツ科学部が「三井住友海上火災保険」で7人。国際教養学部が「アクセンチュア」と「楽天」でいずれも9人。
一方、いわゆる理系学部はどうでしょうか。卒業して大学院に進学する層があることを考えると、特徴的な傾向がとらえきれないという前提はありますが、基幹理工学部は「日本アイ・ビーエム(日本IBM)」で4人、創造理工学部は「ソフトバンク」で5人、先進理工学部は「日立製作所」と「東日本電信電話(NTT東日本)」がいずれも3人となっています。
■ベンチャー企業にも就職する早大生
ここまで見てきた中では、早大生に人気の就職先は歴史のある大企業や公務員であるようにも見えますが、さらにデータを見ていくと早大の卒業生は様々なベンチャー企業にも就職していることが分かります。
たとえば、「ワークスアプリケーションズ」には36人、「セプテーニ・ホールディングス」には15人、「サイバーエージェント」には9人、「コロプラ」には4人が就職しています。
■グーグルに就職できる早大の実力
さらに、世界を代表するメガベンチャーのグーグルには6名が就職しています。グーグルは転職先の人気企業としてもよく名前の出てくるインターネット企業ですが、学部からの就職先としてもグーグルがリストされています。
以前はゴールドマン・サックスといった投資銀行やマッキンゼーといったコンサルティング会社が学生に人気の企業でしたが、いまやグーグルに6名が就職していることはもう少し知られてもよいと思います。
ちなみに6人の内訳ですが、国際教養学部から4人、法学部から2人となっています。
■まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。早大は一見すると慶應大と同様に金融機関が多い印象もありますが、その一方で公務員、ベンチャー企業などにも幅広く就職しています。