今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは151.05円↓下値メドは133.35円テスラ:ドル高が収益の足かせに
FRB:経済が減速するほど、利上げピークも低くなる
FRB:カシュカリ総裁:来年いずれかの時点で利上げを休止する可能性も
FRB:ブラード総裁:前倒し利上げは来年始めに終了、その後は「引締め水準」を維持
BOE:ブロードベント委員「インフレの大部分は輸入コストの上昇が原因」
スイスフラン:介入警戒感のある円に代わりキャリートレード通貨として脚光
中国:人民元は3%以上過大評価されている
イタリア:メローニ新首相:ECBの利上げ政策を批判
日銀:少なくとも2024年まで政策変更なし
政治:政治家の発言や政策は、公式に否定されるまでは信じてはいけない
米労働省が10日に発表した10月のCPI(米消費者物価指数)の結果は、前月比が+0.4%(前回+0.4%)、前年比が+7.7%(前回+8.2%)だった。エネルギーと食品を除くコア指数は前月比+0.3%、前年比+6.3%で、こちらも予想よりも低い伸びとなった。
結果を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペース減速の期待が強まった。
12月FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ幅が0.50%に「縮小」するのはほぼ確実とみられている。ただFRBの目標値とする2.00%にはまだほど遠い。ダイエットでも最初の3キロは簡単だが、目標体重までの最後の500グラムが苦しいのだ。
11月10日(木曜)のドル/円は大幅に「円高」。
1日のレンジは140.60円から146.60円。値幅は6.40円。
2022年224営業日目は146.38円からスタート。高値は朝につけた146.60円。10月の米CPI(消費者物価指数)がマーケットの期待以上に低下していたことを受けてドルは急落。ドル/円は146円台から142.00円まで、数時間で4円も円高に動いたが、その後さらに一段の売りが押し寄せて、NY時間の引け間際に安値140.60円をつけた。
レジスタンスは、
146.60円(11/10)
146.80円(11/09)
146.94円(11/08)
サポートは、
140.11円(09/05)
139.86円(09/02)
138.89円(09/01)
138.27円(08/31)

楽天証券が10月末に実施した相場アンケート調査によると、個人投資家2,009人のうち1,541人(77%)が、11月のドル/円は「ドル高/円安」に動くと予想している。個人投資家のほとんどは、今月もまだ円安が続くと考えている。
クロス円に関しても、円安を予想する個人投資家が大勢を占める。ユーロ/円では、74%が「ユーロ高/円安」を予想、「ユーロ安/円高」は26%だった。また豪ドル/円についても77%が「豪ドル高・円安」を予想している。


主要指標 終値

今日の為替ウォーキング
今日の一言
Money can’t buy me love = お金で愛は買えない – ザ・ビートルズ
You Really Got Me
マーケットでは日々様々な材料が登場しているが、どのように計算しても答えは「ドル高」になる。
本格的な冬が近づく欧州では、エネルギー不足の深刻化で来年の景気後退入りはもはや避けられない状態だ。ウクライナ戦争は停戦の道筋が全く見えないどころか、ロシアは核や生物化学兵器を使用する可能性さえいわれていて、地政学リスクは一段と高まっている。
英国の格付け見通しは、ネガティブに引き下げられた。格下げは珍しいことではないが、その理由のひとつが「政治不安」というのは、先進国では異例のことだ。
MMT(現代貨幣理論)的経済政策を掲げたトラス英首相はあっという間に辞任に追い込まれ、後任にスナク元財務相が就任した。前首相のジョンソン氏は今回の立候補を断念したが、いまだ保守党内の最大派閥であり、自分を裏切ったスナク新首相との関係は良好とはいえないようだ。
経済構造の変革期にはアンチ政党に支持が集まるといわれるが、欧州ではイタリアやスウェーデンに極右内閣が誕生した。移民政策やロシア制裁を巡って欧州内の足並みが乱れるおそれがある。
中国では、ゼロコロナ政策を今後しばらく継続する方針だ。中国の経済成長は目標を達成できないことが明らかになるなかで、新しい党最高指導部に経済の専門家がいないことに失望の声もきかれる。
中国は、ゼロコロナ政策を来年まで継続する方針で、中国の経済再開はまだ先になる。新しい党最高指導部に経済専門家が不在であることもマーケットには失望だった。中国GDP(国内総生産)の1/4を占めている不動産市場では、不良債権が8兆ドルまで膨張している。これはドイツのGDPの2倍の規模である。ウクライナ戦争の次は中国不動産危機がだといわれている。
世界経済の3割以上が、来年までに景気後退に陥る」と、IMFは警告する。世界がエネルギー不足に苦しむ姿を傍目にOPEC+(オペックプラス)は大幅減産を断行して、世界的インフレをさらに悪化させることに一役買っている。
米国の経済は堅調だ。9月雇用統計は堅調なペースを維持し、CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回った。FRB(米連邦準備制度理事会)の不断の努力にもかかわらず、雇用市場の過熱は続き、インフレ率は高止まりしている。
それに比べると米国の経済は堅調である。たしかにインフレ率は高止まりしたままだが、米国のインフレは「需要インフレ」であり、欧州や日本のような「供給(輸入)インフレ」とは違う。ある意味、米国の経済の元気が良すぎるのだ。FRB(米連邦準備制度理事会)の連続大幅利上げでも米国の労働市場は強さを維持している。
金利の低い国からお金を借りて金利の高い国に預ける。弱い国の通貨を売って強い国の通貨を買う。これは合理的な取引である。

今週の 注目経済指標

今日の注目通貨:豪ドル/円
今週の予想レンジ ↑99.00円 ↓89.21円
今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、94.10円。
94.10円より上ならば豪ドル買いが優勢、94.10円より下ならば豪ドル売りが優勢。
2022年の高値は98.67円、安値は80.37円。平均値は89.52円。
1日の最大値幅は3.01円、平均値幅は1.20円。
2022年の値幅は18.30円。
2021年の終値(83.70円)に比べて8.59円の豪ドル高。
100.87円 : 第4レジスタンス(HBO)
99.00円 : 第3レジスタンス
98.67円 : 2022年 高値
97.13円 : 第2レジスタンス
95.74円 : 10月 高値
95.56円 : 11月 高値
96.55円 : 第1レジスタンス
94.10円 : ピボット
93.29円 : 10月 平均値
92.96円 : 11月 安値
91.66円 : 第1サポート
91.08円 : 第2サポート
90.84円 : 10月 安値
89.52円 : 2022年 平均値
89.21円 : 第3サポート
87.34円 : 第4サポート(LBO)

2022年 豪ドル/円データ

(荒地 潤)