JR西日本は関西と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」について、車両面でも運行面でもサービスを向上させると発表しました。それによってどのような変化が起きるのでしょうか。
JR西日本は2015年1月28日、大阪~金沢間など関西と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」のサービスを向上させると発表しました。
具体的にどのような変化があるのかというと、まずひとつは「車両のリフレッシュ」です。外装デザインについて、ホワイトボディにブルーのラインを基調にするのは現在と同じですが、窓部分の配色が現在のグレーからより濃い色へ変わり、大きな窓を協調するカラーリングになります。
また「サンダーバード」をモチーフにした新たなシンボルマークも登場。「長く親しんでいただいている『サンダーバード』らしさと新しさを表現したデザイン」にしたそうです。
JR西日本の在来線で初の温水洗浄機能内装については、グリーン車と普通車の身障者対応トイレが温水洗浄機能付きの暖房便座になるほか、それ以外のトイレについてもすべて暖房便座になります。温水洗浄機能付き暖房便座の導入は、JR西日本の在来線車両では初めてだそうです。
モバイル用コンセントも拡充されます。「サンダーバード」すべての列車について、そのグリーン車全席、普通車の客室出入口付近にある席へコンセントを整備するとのことです。現在「サンダーバード」でコンセントを備えるのは一部車両のみで、どの列車でも確実に使える設備ではありませんでしたが、以後はそうした不確定要素が消えより便利になりそうです。
座席の改良も実施され、グリーン車はよりソフトでホールド感のあるものになるといいます。デザインについてもグリーン車は落ち着きと趣のあるものに、普通車はブルーを基調とした最新デザインに統一するそうです。
これら「車両のリフレッシュ」は特急「サンダーバード」に使用される681系、683系特急形電車の全車両を対象に行われ、2015年秋頃から2018年度末にかけて順次投入する計画といいます。
「サンダーバード」の「敵」に対しても列車の運行面においてもサービスの向上が図られます。
JR西日本によると、特急「サンダーバード」のダイヤに影響が出る主な原因は「強風」だそうです。同社では基本的に風速20m以上で徐行、風速25m以上で運転見合わせとなり、特急「サンダーバード」も湖西線内などでしばしばその影響を受けています。
そこで「サンダーバード」の走行区間に防風柵を充実させ、強風が列車運行に与える影響を低減させる取り組みが実施されます。防風柵の設置により風速25m以上で徐行、風速30m以上で運転見合わせと、風に強くすることができるのです。
防風柵は北陸本線の手取川橋梁(石川県白山市)、梯川橋梁(石川県小松市)で新たに設置されるほか、湖西線では志賀~比良間(滋賀県大津市)で防風柵が延長されます。
「サンダーバード」停車駅の設備についてもサービスが高められる計画です。
武生駅、鯖江駅(ともに福井県)のトイレが2015年秋に洋式化されます。また鯖江駅、松任駅(石川県)の改札口とホームに、敦賀駅、武生駅、芦原温泉駅(以上福井県)、加賀温泉駅(石川県)のホームに発車標が増設されます。鯖江駅と芦原温泉駅ではエレベーターの新設も行われます(2015年度末)。
これによって北陸本線の全「サンダーバード」停車駅で洋式トイレ、改札口とホームの発車標、エレベーターが整備されることになり、バリアフリーの進展や案内の充実が実現する見込みです。また2015年2月には北陸本線の各停車駅で、改札口付近に列車の運行情報を表示するディスプレイも設置される予定になっています。