鉄道を大災害時の輸送手段や住民の避難手段として活用することを想定した、“訓練”兼イベントが、しなの鉄道で行われます。
列車で避難!長野県千曲市を拠点とする街づくり支援企業ふろしきやは2025年5月19日、しなの鉄道からの委託で実証型イベント「しなの鉄道Connect つながる防災フェス」の企画と運営を担当すると発表しました。
しなの鉄道の115系電車(画像:しなの鉄道)。
災害時に道路のみの救援活動では交通混乱に繋がるという課題から、鉄道を物資の輸送手段として活用するほか、駅のスペースを防災拠点するための検証を目的としたイベントだそう。休眠預金活用事業「しなの鉄道 災害対策機能強化事業」の一環とのことです。
今回は「大雪により道路が寸断された信濃町エリア」を想定し、救援物資とともに関係者約60人が戸倉駅から出発。途中の北長野駅にて防災倉庫から物資を積み込み、黒姫駅まで列車で向かいます。戸倉から黒姫まで片道約48.4kmです。
黒姫駅では駅前の信濃町有地としなの鉄道の敷地を避難所として開設し、被災者を黒姫駅から戸倉駅まで列車に乗せます。そこから地域連携先である戸倉上山田温泉の旅館の一次避難先まで移動するという、一連の流れを実証するものです。
黒姫駅での避難所では、炊き出し体験や防災関連ブースなど災害時の体験ができるイベントや、参加者に物資の配布、休憩スペースなどが設けられるとのこと。この実証の結果はアーカイブ化し、今後の地域防災体制の強化に役立てるため公開するとしています。
実証は6月7日6時30分から16時まで実施。