JR小海線沿線の地域振興を応援している、「ハイぶりっ子ちゃん」というキャラクターがいます。外見は、頭が鉄道車両、体が女性に見えるのですが……なにやら、とても“自由”なようです。

「女性型妖精」が「ハイぶりっ子ちゃん」に「乗務」

 体が青く、頭は鉄道車両の姿をしている「ハイぶりっ子ちゃん」というキャラクターがいます。

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浅間山をバックに、小海線のキハE200形と写る「ハイぶりっ子ちゃん」(写真出典:ミライム)。

「ハイぶりっ子ちゃん」は2014年、中込商店街(長野県佐久市)で楽器店を経営する中川鉄夫さん(ファンのあいだでは「N博士」と呼ばれる)によって生み出されました。誕生したきっかけのひとつは、山梨県北杜市と長野県小諸市を結ぶJR東日本・小海線の全線開通80周年を祝うことでしたが、その後、小海線沿線の地域振興を応援するキャラクターに“成長”。「中込商店街に住んでいる」としつつも、活動の場は小海線沿線などに広がっています。

 小海線では、ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池で走るハイブリッド式車両のキハE200形が使用されていますが、「ハイぶりっ子ちゃん」の頭に見える部分は、このキハE200形とウサギが組み合わさった「ハイブリッド生命体」(「ハイぶりっ子ちゃん」の本体)であり、青い体は「女性型妖精の乗務員」とされます。

フリーダムな「ハイぶりっ子ちゃん」 ポイントは非公認? 連結も

小海線を走るキハE200形とウサギが組み合わさった「ハイブリッド生命体」とされるキャラクター「ハイぶりっ子ちゃん」(写真出典:ミライム)。

「乗務員」が「ハイぶりっ子ちゃん」に乗務すると、意識の80%が「ハイぶりっ子ちゃん」に支配され、残りの20%が「乗務員」の個性として動きやしゃべりに表れるとのこと。「ハイぶりっ子ちゃん」のライセンスなどを管理しているミライムによると、「乗務員」は現在25人ほどいるそうで、その違いを見分けられる熱心なファンもいるといいます。

イベントで人気という、「ハイぶりっ子ちゃん」とファンの「連結」とは

「ハイぶりっ子ちゃん」は普段、TwitterやFacebookなどで活動中。投稿のなかには「日本政府非公認」「長野県非公認」「70円セールのセブンのおでんのツクネに軟骨入ってるヽ( ̄▽ ̄)ノ」「イオンモール佐久平のことを佐久地方の人々は佐久ジャスと呼ぶ」など、比較的“自由な”つぶやきも見られます。

 この自由な設定や発言は、公認が“中込商店街協同組合のみ”であることと関係しているようです。

ミライムは、県や市などから公認されていないことを、逆にひとつのメリットとしてとらえ、「非公認キャラ」であるからこそ、活動の場を自由に設定できるといいます。

フリーダムな「ハイぶりっ子ちゃん」 ポイントは非公認? 連結も

長野県上田市内のイベントにほぼ限定して、NHKの大河ドラマを意識した赤い「ハイぶりっ子ちゃん丸」も登場(写真出典:ミライム)。

 そんな「ハイぶりっ子ちゃん」、誕生当初は男性の鉄道ファンが多かったそうですが、イベント出演などを重ねていくうちに女性ファンも全体の3~4割にまで増加。ミライムの担当者は「シュールな感じが人気の理由かも」と話します。イベントでは、「ハイぶりっ子ちゃん」と参加者が一緒に列車のように並ぶ「連結」の写真撮影が人気だそうです。

フリーダムな「ハイぶりっ子ちゃん」 ポイントは非公認? 連結も

「連結」した「ハイぶりっ子ちゃん」。実際のキハE200形と同様、最大「3両編成」で活動している(写真出典:ミライム)。

 ちなみに「ハイぶりっ子ちゃん」は、「乗務員」こそ約25人いますが、イベントなどに同時に登場するのは最大3両(人)。これは、キハE200形の最大両数にあわせた数字といいます。“本体”前面のおでこ部分に「ふつう」と書かれていますが、これも小海線の定期列車が普通列車のみであることに由来するそうです。

 ミライムはこの「ハイぶりっ子ちゃん」について、イベントやSNSなどで知名度を上げ、活躍の場を増やしていきたいとしています。

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