自転車同士による出会い頭の衝突事故を想定したテストをJAFが実施。ヘルメット着用の有無で頭部への衝撃がどれほど異なるか、比較検証しました。
JAF(日本自動車連盟)は2016年10月14日(金)、自転車同士が衝突して転倒したときの頭部への衝撃について、検証した結果を発表しました。
自転車同士の、出会い頭の衝突事故を想定したテストを実施(写真出典:JAF)。
自転車は免許も不要で気軽に乗れるものですが、転倒した場合、頭部などを地面に強打し、致命的なけがを負う可能性があります。そこでJAFは、自転車の事故類型で最も多いという「出会い頭の衝突」を想定したテストを実施。その危険性を検証しました。
実験では、母子3人乗り自転車(幼児2人同乗基準適合車)と、男性が乗る自転車がいずれも20km/hで走行中、出会い頭に衝突した際、衝撃が脳におよぼす影響度を示す目安である「頭部損傷基準値(HIC)」を、ヘルメットの着用有無で比較しています。
実験の結果は…? 幼児は「570」以上で頭蓋骨骨折の可能性実験の結果、HICの値は、後席子供ダミーのヘルメット着用ありが「949」だったのに対し、着用なしはおよそ17倍の「1万5951」でした。「HIC」は幼児では570以上、成人では700以上の場合、頭蓋骨骨折となる可能性があるといいます。

子供ダミーの頭部損傷基準値(HIC)は、ヘルメット着用の有無で値がおよそ17倍も異なる結果に(画像出典:JAF)。
なお、母親ダミーはヘルメット着用の有無にかかわらずHICが200台でしたが、JAFによると、自転車事故は状況によって転倒の形態などが大きく異なるため、受傷部位や衝突対象で結果が変わる場合があるとのこと。
またJAFはヘルメットについて、「万能ではないが、最も重要な頭部を守るための唯一の安全装備である」とし、着用することで事故や転倒時における頭部の被害を軽減できるとしています。