「ぞうもう」と読めることから、入場券が「縁起物」の留萌本線・増毛駅が2016年12月に廃止。これにより、名前がそのままのある駅から「増毛」への鉄道旅ができなくなります。

しかし増毛駅が無くなっても、その名の駅から「目指すべき場所」はまだ、ありそうです。

鉄道ファンには有名な「増毛」への旅

 JR北海道・留萌本線の終点である増毛(ましけ)駅(北海道増毛町)は、「ぞうもう」とも読めることから、その入場券が「縁起物」として購入されることもあります。

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廃止を前にして、増毛駅には団体から個人まで多くの観光客が訪れている(2016年10月、太田幸宏撮影)。

 しかし2016年12月4日(日)の運行をもって、留萌本線の末端区間である留萌~増毛間は廃止。増毛駅が無くなります。そしてこれにより、“あること”もできなくなります。

 高知県四万十市にあるJR四国・予土線の半家(はげ)駅から増毛駅までの旅です。

「はげから増毛へ」の旅は昔から鉄道ファンに知られており、増毛駅廃止を間近にして、旅行会社もこれに着目。「ジパングプラザ支配人 寺田一義と行く特別企画『これで最後!!半家から増毛の旅』」を、日本旅行が2016年11月に企画しています。ちなみに、寺田支配人はスキンヘッドです。

増毛はできなくなっても、半家からの目的地はまだある?

 2016年10月現在、半家から増毛への最短時間は以下の通りです(平日ダイヤ)。

・1日目
半家10時55分発→窪川→(特急「あしずり4号」)→高知→(特急「南風16号」)→岡山→(新幹線「のぞみ36号」)→東京→(新幹線「はやぶさ33号」)→新函館北斗23時33分着(泊)

・2日目
新函館北斗6時28分発→(特急「スーパー北斗1号」)→札幌→(特急「スーパーカムイ11号」)→深川→増毛12時47分着

 半家から増毛への所要時間は、乗り継ぎ時間を含み25時間52分。

必要な費用は4万8340円です(運賃2万3470円、特急料金2万4870円。普通車指定席利用、通常期)。

その名の駅から増毛への旅、終了へ でも目的地はまだある?

半家駅は無人駅。増毛駅も無人駅なので、きっぷを販売していない。「半家から増毛へ」のきっぷは、「みどりの窓口」がある駅などで購入できる(2014年1月、恵 知仁撮影)。

 さて、目的地を失うかに思える「はげ」からの旅ですが、引き続き行われるかもしれません。

 東京の多摩地域を走る青梅線の福生(ふっさ)駅(東京都福生市)も、髪の毛にまつわる駅名として鉄道ファンに知られます。千葉県を走る成田線の布佐(ふさ)駅(千葉県我孫子市)を途中に経由して、「半家から布佐、そして福生へ」という旅はこれからも可能です。

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