かつて島根県にあった「日本一長い駅名」。その駅が改称したことで、現在は複数の「日本一長い駅名」が存在します。
「日本一短い駅名」は、三重県の県庁所在地にある「津」駅。漢字でも仮名でもたった1文字です。しかし「日本一長い駅名」は、“いくつか”存在します。
現在、「日本一長い駅名」は4つ。読み仮名をとるか表記をとるかで、「日本一長い」が異なってくるからです。
現在の「日本一長い駅名」のひとつ、「南阿蘇水の生まれる里白水高原」駅(2012年11月、恵 知仁撮影)。
読み仮名においては、茨城県鹿嶋市にある鹿島臨海鉄道の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前(ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえ)」と、熊本県南阿蘇村にある南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん)」が「日本最長」で、いずれも22字です。ただ、表記では「白水高原」のほうが1字多い14字。なお同駅は現在、2016年に発生した熊本地震の影響で営業を休止しています。
表記において「日本一長い駅名」も、ふたつ存在しています。「東京ディズニーリゾート」内を走るディズニーリゾートラインの駅、「リゾートゲートウェイ・ステーション」と「東京ディズニーランド・ステーション」、いずれも17字です。
このように現在、「日本一長い駅名」は少々ややこしいことになっていますが、かつては異なりました。

2001年に「古江」駅から改称した「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」駅(写真出典:pixta)。
2001(平成13)年4月から2007(平成19)年5月までは、島根県松江市にある一畑電車の「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前(ルイス・シー・ティファニーていえんびじゅつかんまえ)」が表記で18字、仮名で25字(「・」含む)と、どの観点でも「日本一長い駅名」だったのです。
しかし“両部門”で1位とパーフェクトな「日本最長」だった同駅は、美術館の閉館にともない、「松江イングリッシュガーデン前」(表記14字、仮名16字)に改称。両部門とも、王座から陥落しています。
【写真】茨城の「日本一駅名標」は文字だらけ

「日本一長い駅名」のひとつ、茨城県鹿嶋市の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前」駅。多くの文字が駅名標に書かれている(2009年8月、恵 知仁撮影)。