阿蘇外輪山を貫く「滝室坂トンネル」完成へ

 国土交通省 熊本河川国道事務所が2026年度の事業概要を発表。整備が進む国道57号「中九州横断道路」(通称・中九州道)のうち、「滝室坂道路」が今年度に開通する見通しだと改めて公表しました。

【これは辛い!】開通する「滝室坂道路」と「過酷な現道」(地図/画像)

 中九州道は熊本市と大分市を結ぶ約120kmの高規格道路として計画されており、おおむねJR豊肥本線に並行するルートです。現在は40km弱が開通しています。未だ事業化されていない区間もあるものの、熊本市から大津町にかけては、台湾の半導体大手TSMC社の子会社「JASM」の工場(菊陽町)進出など企業立地が加速し、渋滞も深刻化していることから、2026年度以降に相次ぎ事業化されています。

 2026年度に開通する滝室坂道路は、阿蘇市街地の東側から国道57号の難所「滝室坂」をトンネルで一気に貫通する6.3km。現道の北側に並行して、延長4.8kmの滝室坂トンネルが構築されています。これは熊本県内の一般道では最長のトンネルで、2023年に貫通しました。

 現道の滝室坂は250mの高低差をつづら折りの急坂で越えるうえ、雨に加え積雪や路面凍結による通行規制もしばしば発生。スリップやスタックによる重大事故の割合も高いほか、熊本にあるホンダの二輪工場から大分方面への完成車輸送では、積み荷の転倒を防ぐため低速で走行せざるを得ず、ドライバーの負担にもなっているそうです。

 そんな辛い区間を解消する滝室坂トンネル。阿蘇市街地に近い西側の坑口は国道57号よりもやや北にあるため、県が整備する内牧坂梨線バイパス(同時期開通予定)を通じて国道から行き来します。トンネルを抜けて東側は、国道57号の「道の駅 波野」付近に出ます。

 その先、県境部を越える「竹田阿蘇道路」22.5kmも2019年度から事業中ですが、埋蔵文化財調査などに時間を要しているため開通はまだまだ先ですが、県内でも有数といえる輸送上の難所の克服は目前に迫っています。

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