ANAが導入したエアバスA321neoが9月8日、羽田空港に到着しました。9月中旬から国内線で運用されるというこの最新鋭機、どのような飛行機なのでしょうか

最新鋭旅客機A321neo、羽田に到着

 ANA(全日空)が新たに導入するエアバスの最新鋭旅客機A321neoがドイツのハンブルグを出発し、2017年9月8日(金)、羽田空港に到着しました。

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ドイツ、ハンブルグよりロシアのノヴォシビルスクを経由して羽田に到着したANAのA321neo(2017年9月8日、石津祐介撮影)。

 A321neoを日本の航空会社が受領するのは、これが初めて。同機は新型のエンジンを搭載しており、ANAの国内線では初となる全席タッチパネル式シートモニターを備えています。

ANAがA321neo受領、最新鋭機の全貌とは 充実の室内設備に見る「フルサービス」の意味(写真25枚)

クルーと写真に収まるA321neo(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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A321neoのコックピット(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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A320のストレッチ型となるA321シリーズ(2017年9月8日、石津祐介撮影)。

「neo」とはnew engine optionの略で、A321neoにはIHIや三菱重工業、川崎重工業が開発に参画しているプラット&ホイットニー社の新型エンジンPW1130G-JMが搭載されています。すでに昨年からANAが導入しているA321ceoに比べて燃費が約15%向上しており、また騒音の改善もなされています。

ANAがA321neo受領、最新鋭機の全貌とは 充実の室内設備に見る「フルサービス」の意味(写真25枚)

ANAが2016年10月に導入したA321ceo(石津祐介撮影)。
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A321neoに搭載された新型エンジンPW1130G-JM(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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同じ機構のエンジンPW1200Gを搭載したMRJ(石津祐介撮影)。

 PW1130G-JMは、エンジンのシャフトにギアを取り付け、ギアを介してファンの回転を制御する機構(ギアード・ターボファン・エンジン)の新型エンジンで、MRJにも同じシリーズのエンジンPW1200Gが採用されています。

LCCに差をつける充実のシート設備

 シートは、プレミアムクラスが8席、普通席186席の国内線仕様。プレミアムクラスには電動リクライニングシートを採用しています。

 また前述のようにANAの国内線仕様機体としては初となる、全席にタッチパネル式モニターが装備されています。約60タイトルのビデオコンテンツをはじめとした機内エンターテインメントが楽しめるようになっています。

ANAがA321neo受領、最新鋭機の全貌とは 充実の室内設備に見る「フルサービス」の意味(写真25枚)

プレミアムクラス8席、普通席186席の国内線仕様(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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プレミアムクラスに使用されるRECARO社製の電動リクライニングシート(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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普通席は186席で、30-31インチのシートピッチ(2017年9月8日、石津祐介撮影)。

 加えて機内インターネットサービス「ANA Wi-Fiサービス」をはじめ、PC電源とUSB充電ポートも完備しており、ビジネスユースにも対応しています。

 この座席総数194席という数字は、ANAとJALが共に保有する機体、737-800(166席)と767-300(270席)の中間に位置し、国内でこのクラスを保有するのはANAのみとなっています。

 A321neoは、9月中旬から羽田発着路線の定期便で運航を開始する予定です。

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ANAの国内線仕様としては初となる全席タッチパネル式モニター(2017年9月8日、石津祐介撮影)。
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充実した機内エンターテインメントが楽しめるパーソナルモニター(2017年9月8日、石津祐介撮影)。

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シンプルで洗練されたデザインのコントローラー(2017年9月8日、石津祐介撮影)。

 LCCの台頭で航空運賃の価格競争が何かと話題ですが、国内線での全席タッチパネル式モニター装備や電動プレミアムシートなど、フルサービスキャリアとしてLCCとの価格差に見合うだけの充実した装備となった新しい機体だけに、今後のサービス展開にも注目したいところです。

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