マツダが新型の教習専用車「マツダ教習車」を発売。国内未発売モデルをベースにした車種で、既存の「アクセラ教習車」よりも一回り小さい5ナンバーサイズになります。
マツダが2019年5月27日(月)に、新型の教習専売車、その名も「マツダ教習車」を発売します。
「マツダ教習車」。海外で販売されている「マツダ2」(日本名「デミオ」)のセダンがベース(画像:マツダ)。
「マツダ教習車」は「マツダ2セダン」がベース。「マツダ2」は日本名「デミオ」のことですが、そのセダンタイプは日本国内で発売されていません。
マツダはこれまで約15年にわたり、「アクセラ」のセダンをベースにした「アクセラ教習車」を販売。2014年には生産累計1万台を達成し、このころには教習車市場で約4割のシェアを占めるなど、国内トップを誇っていました。それをなぜ、日本未発売の車種を輸入してまで変えるのか、同社に聞きました。
――なぜベース車種を変えるのでしょうか?
当社では「アクセラ」をまもなくモデルチェンジします(編集部注:同時に日本名も、グローバルネームである「マツダ3」に変更する見込み)。教習車としても、ベース車種の発売から5年以上が経過し、「そろそろ新型の開発を」と考えていた際に、そのままの車種で投入するのが正しいのか、ということになりました。
――新型「マツダ教習車」の強みはどのような点でしょうか?
全幅は「アクセラ」から100mm小さい1695mm、全長は200mm小さい4410mmで、3ナンバーサイズから5ナンバーサイズになります。最小回転半径4.7mという小回りのよさ(「アクセラ」は5.3m)、無理なく自然に運転操作ができるコックピット環境のほか、視界の改善などにより車両感覚がつかみやすくなり、教習所内、路上ともに教習生の方々が余裕を持って運転できるでしょう。また、タイヤサイズも16インチから15インチになり、燃費も向上するなど、ランニングコスト面も改善しています。
そして、「アクセラ」と同じく(昨今のマツダ車におけるデザインコンセプトである)「魂動(こどう)」デザインによるスタイリッシュな内外装も、「また運転したくなる」「次の教習が楽しみになる」要素となり得るのではないかと考えております。
ライバル車は5ナンバーが主流3ナンバーサイズから、ひと回り小さい5ナンバーサイズに変更されるマツダの教習車ですが、ライバル車を見ると、ホンダが2015年7月に教習車モデルを投入した「グレイス」や、トヨタが1990年代から教習車として販売してきた「コンフォート」、それに代わり2018年2月に登場した「カローラアクシオ」ベースの「トヨタ教習車」は、いずれも5ナンバーサイズの小型セダンです。
とはいえマツダによると、3ナンバーサイズが不評だったわけではないとのこと。「アクセラ教習車」を導入している東京都内の教習所も、5ナンバーサイズの教習車と比べて指導内容が変わったり、生徒の上達に影響したりしたことはなく、むしろ生徒からは「かっこいい」と好評だと話します。
既存の「アクセラ教習車」(画像:マツダ)。
マツダは、今回のベース車種変更について、「新型開発に際して教習車としての理想を初めから考え直した結果」といいます。
「当社は1970年代から、『カペラ』『ルーチェ』『ファミリア』そして『アクセラ』と、教習車を手掛けてきました。
なお、「マツダ教習車」の計画販売台数は年間800台。おもに「アクセラ教習車」の置き換え需要を見越しているそうです。ただ、タイから船便で輸送するため、従来よりも納期が長くなるとのこと。「各教習所にとって最適なタイミングをご案内していきます」としています。