JR東日本の電源車「マニ50 2186」が東急電鉄に譲渡されました。長津田駅でJR東日本から東急の線路へ入った「マニ50 2186」は、観光列車「ザ・ロイヤル・エクスプレス」とともに北海道を走る予定です。
JR東日本の電源車「マニ50 2186」が2019年7月3日(水)、東急電鉄に譲渡されました。
JR東日本から東急電鉄に譲渡される電源車「マニ50 2186」(2019年7月3日、大藤碩哉撮影)。
JR横浜線と東急田園都市線が交差する長津田駅(横浜市緑区)には、両社線をつなぐ授受線があります。おもに車両の受け渡しに使われる線路で、「マニ50 2186」はこれを介して東急電鉄の線路に入りました。
その後「マニ50 2186」は、東急の事業用車両である7500系電車「TOQ i(トークアイ)」にけん引され、同社の長津田検車区に搬入されました。
今回の電源車譲渡は、東急電鉄の観光列車を北海道で走らせる計画の一環です。JR北海道とJR東日本、JR貨物、東急電鉄の4社は、2018年9月の北海道胆振東部地震で被災した北海道の観光振興と地域活性化を目的に、東急の伊豆観光列車「ザ・ロイヤル・エクスプレス(THE ROYAL EXPRESS)」を2020年に北海道で走らせる計画を進めています。
「ザ・ロイヤル・エクスプレス」が北海道を走るには「ザ・ロイヤル・エクスプレス」の車両は、伊豆急行2100系直流電車(8両編成)を改造して使用しています。しかし、JR北海道の路線の多くは電化されておらず、電化されている区間も交流方式のため、そのままでは走れません。

東急の「TOQ i」にけん引される電源車「マニ50 2186」(2019年7月3日、大藤碩哉撮影)。
そこで対応策として、ディーゼル機関車で車両をけん引するほか、発電機を搭載しほかの車両に照明や冷暖房などの電力を供給する電源車が連結されることになりました。
今回譲渡される電源車「マニ50 2186」は、JR東日本がおもに団体列車や臨時列車などに使っていたジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」に連結して使われていたため、「ゆうマニ」とも呼ばれています。
東急電鉄によると、「マニ50 2186」と「ザ・ロイヤル・エクスプレス」の連結器などの工事は2020年に実施するとのこと。また、外観のデザインに関しては、検討中としています。