東海道・山陽新幹線「のぞみ」の普通車は要予約の「指定席」と予約不要の「自由席」があります。設備は共通で価格差も使い方によっては縮まりましたが、それ以外にも選択のポイントがあります。

それぞれのメリットをまとめました。

確実に席を確保するなら指定席だが…

 東海道・山陽新幹線で運転されている最速の列車「のぞみ」は16両編成。このうち8号車から10号車の3両がグリーン車で、残り13両が普通車です。

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東海道・山陽新幹線「のぞみ」はグリーン車が指定席。普通車は自由席と指定席がある(画像:写真AC)。

 グリーン車はすべて指定席ですが、普通車は1号車から3号車が自由席で、それ以外は指定席。指定席は乗車券に加えて指定席特急券を買って、事前に席を予約しなければなりません。自由席は乗車券のほか、座席を指定しない自由席特急券が必要です。

 指定席は利用する席をあらかじめ確保することになるため、列車の出発直前に乗り込んでも確実に座れます。座るために駅のホームに長い時間、並ぶ必要もありません。また、指定席特急券を買う際、特定の座席を選んで予約することも可能です。

 外の景色を見たいなら窓側の席を予約できますし、特に急いでいる場合は、下車駅で改札口に一番近い車両のドア付近の席を予約し、列車が到着してから駅の外に出るまでの時間を短縮するといったこともできます。

「のぞみ」の車両にはコンセントが設置されていますが(臨時列車を除く)、普通車でコンセントを使えるのは窓側と最前列、最後列の席のみ。スマートフォンなどを充電しようと思ったとき、自由席ならコンセントを使える席が埋まっていて充電できないこともありますが、指定席ならコンセントを使える席を予約しておけば、その心配はありません。ちなみに、2020年にデビューする新型車両「N700S」は、指定席と自由席ともに、すべての席にコンセントが設置されます。

 ただ、ほかの人が目当ての席を先に予約していれば、その席を利用することはできません。特に混雑する時期は早めに購入する必要があります。

「自由席の列」に並ぶなら何号車?

 自由席は文字通り「自由」というメリットがあります。乗ったときに進行方向右側の席に座ったものの、窓から差し込む日の光がまぶしいので左側の席に移るといったことも自由です。また、自由席特急券は席や車両だけでなく乗車する列車も指定しません。乗車駅に早く着いたので、乗る予定だった列車より10分早い「のぞみ」に乗ることも可能。その日のうちなら後続の「のぞみ」を使っても構いません。

東海道・山陽新幹線「のぞみ」指定席と自由席、どっちを使う? それぞれにメリットが

自由席車3両のなかで最も定員が多い2号車(2019年2月、草町義和撮影)。

 しかし、「のぞみ」は16両編成中の3両(1号車から3号車)しか自由席がないため、混雑する時期や時間帯は座れない可能性が高くなります。

座れる確率を高くするためには、できるだけ始発駅から利用するようにして、早めに駅のホームに入って並ぶ必要があるでしょう。ちなみに、「のぞみ」自由席の座席定員は1号車が65人、2号車が100人、3号車が85人。定員が多い2号車が停車する場所に並んだほうが、席を確保しやすくなるかもしれません。

 なお、「のぞみ」普通車の指定席と自由席は、設備の面ではほぼ同じですが、所定の運賃と料金が異なります。東京~新大阪間で「のぞみ」に乗る場合(2019年10月1日以降の大人・通常期)、普通車指定席が1万4720円なのに対し、自由席は850円安い1万3870円です。「のぞみ」を安く利用するなら、自由席のほうに軍配が上がります。

 しかし、東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」(2019年10月1日以降の年会費は1100円)に入会して東京~新大阪間の「のぞみ」普通車を利用すると、指定席、自由席ともに1万3620円。1年に2回(自由席は5回)以上利用するなら年会費を含めても所定の運賃・料金より安くなり、指定席と自由席の価格差もありません。このような場合は、価格や設備とは別のメリットを比べて選んだほうがよさそうです。

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