ダイヤ改正では、新型車両の登場や新駅開業などの一方で、引退する車両や廃止される駅もあります。なかには「スーパービュー踊り子」が「サフィール踊り子」になるなど名称が変わる列車や駅も。

見納めになるものを挙げました。

特急「スーパービュー踊り子」は「サフィール踊り子」へ

 JR7社と一部の私鉄は、2020年3月14日(土)にダイヤ改正を行います。これにともない、見納めになるおもな車両や駅について以下、挙げていきます。

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E261系電車の登場で引退となる251系電車(2014年7月、児山 計撮影)。

 JR東日本では、首都圏と伊豆エリアを結ぶ特急「スーパービュー踊り子」と、それに使われている251系電車が廃止されます。ダイヤ改正後は、新型車両のE261系電車に置き換わり、列車の名称も「サフィール踊り子」になります。

 251系は1990(平成2)年に登場しました。展望車を備えるなど、伊豆への観光輸送に特化した設計の特急形車両でした。なお、東京と伊豆エリアを結ぶ特急「踊り子」の185系電車も、今回のダイヤ改正後、順次、JR中央線の特急「あずさ」などで使われていたE257系電車に置き換えられる予定です。

JR中央線「オレンジ色車体の各駅停車」消滅

 JR中央線の東京~中野間などで早朝と深夜に見られた「オレンジ色車体の各駅停車」が、ダイヤ改正後、見られなくなります。

特急「あずさ2号」消滅 「かいじ2号」へ

 JR中央本線から特急「あずさ2号」が消滅します。1977(昭和52)年、男性デュオの狩人が歌った『あずさ2号』でおなじみの特急でした。

 これまで号数は、中央本線を走る特急「かいじ」と「あずさ」で別々に振られていましたが、ダイヤ改正後は「それぞれの運行区間」「奇数号は下り、偶数号は上り」という点はそのままに、「あずさ」と「かいじ」で通し番号になります。1号から順に、「あずさ1号」「かいじ2号」「あずさ3号」「あずさ4号」……となり、「2号」は「かいじ」にとって代わるのです。

北海道では「スーパー」が消え「いしかりライナー」も廃止

 JR北海道では特急列車の名称が変わります。特急「スーパー北斗」「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」から「スーパー」がなくなり、「北斗」「おおぞら」「とかち」になります。

 JR北海道は新型車両と旧来の国鉄型車両を区別するため、新型車両の列車名に「スーパー」を冠していましたが、車両の置き換えが進むなどしてその意義が薄れてきたため、これを外すといいます。

何が見納めに? 2020年3月ダイヤ改正 消える北海道「スーパー」特急 「あずさ2号」

JR北海道の特急列車から「スーパー」を冠した名称が消滅する。写真はキハ281系ディーゼルカーの特急「スーパー北斗」(2013年6月、児山 計撮影)。

 同じくJR北海道の函館本線では、区間快速「いしかりライナー」がこれまで通過していた駅の利用者が増えていることから、区間快速は各駅に停車する普通列車に変更され、「いしかりライナー」の呼称もなくなります。

西武鉄道池袋線・西武秩父線の特急はすべて「ラビュー」に

 私鉄では、西武鉄道池袋線・西武秩父線を走る特急車両がすべて001系電車「Laview(ラビュー)」に置き換わります。これにより、現行の10000系電車は池袋線の定期運用から外れますが、西武新宿線の特急「小江戸」では引き続き使われる予定です。

利用者の減少で廃止される駅や名称変更の駅も

 ダイヤ改正では列車や車両だけでなく、駅の廃止や名称変更も行われます。

 廃止される駅は、JR根室本線の古瀬駅(北海道白糠町)、JR釧網本線の南弟子屈(みなみてしかが)駅(北海道弟子屈町)、JR参宮線の池の浦シーサイド駅(三重県伊勢市)です。

いずれも利用者の減少によるものといいます。

 名称変更されるのは、JR常磐線の佐貫(さぬき)駅(茨城県龍ケ崎市)です。ダイヤ改正をもって「龍ケ崎市駅」に改称されます。なお、同駅からは関東鉄道竜ヶ崎線が出ていますが、こちらはいままで通り「佐貫駅」として営業が続けられます。

何が見納めに? 2020年3月ダイヤ改正 消える北海道「スーパー」特急 「あずさ2号」

「龍ケ崎市駅」に名称変更されるJR常磐線の佐貫駅(画像:photolibrary)。

 このほか5月には、JR北海道が維持困難線区として挙げた線区のうち、札沼線の北海道医療大学~新十津川間が廃止される予定です。

※一部修正しました(3月2日16時00分)。

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