新型コロナウイルスへの感染が、高速道路のSAや料金所など、利用者と直接触れる現場でも起こっています。国ぐるみの外出自粛要請もあり、SA・PA店舗の営業時間縮小や営業休止など、現場では様々な対応がとられています。

SA従業員感染 一時閉鎖も

 高速道路で新型コロナウイルスの影響が拡大しています。利用者と直に接するスタッフの感染が起きているほか、国や自治体の外出自粛要請などを受け、SA・PA店舗の営業短縮や休止も広範囲に広がっています。2020年4月16日(木)時点における、これまでのおもな対応をまとめました。

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全国のSA・PAで店舗の営業が縮小している。写真はイメージ(2017年3月、中島洋平撮影)。

SA従業員が感染 店舗が一時閉鎖

 上信越道の横川SA下り線(群馬県安中市)で4月11日(土)、商業施設に勤務している従業員の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。同エリアの商業施設は同日22時から営業を休止し、施設内を消毒のうえ、4月14日(火)から一部店舗を除いて営業を再開しました。

 また山陽道の小谷SA(広島県東広島市)でも4月15日(水)、下り線のフードコートに勤める従業員の感染が判明し、その濃厚接触者に上り線の従業員も含まれていることから、同日夜より上下線とも施設の営業を休止しています。

 なお、横川SAの休止期間中、駐車場や自動販売機、ガソリンスタンドは通常どおり利用可能でした。これは現在休止中の小谷SAも同様です。

料金所係員の感染は複数発生 一時閉鎖も

 2月22日(土)および27日(木)に、名古屋高速の料金所へ勤める収受員の新型コロナウイルスへの感染が判明し、名古屋高速では一時、6つの料金所が閉鎖されました。その後 はETC車のみ通行可能になったものの、料金所が一時閉鎖から通常運用に復帰するまで、およそ2週間を要しています。

 3月26日(木)および4月2日(木)、3日(金)には、神奈川県の横浜新道などに勤める料金所収受員の感染が相次いで判明し、横浜新道の川上料金所や横浜横須賀道路の港南台料金所がETC限定運用となったのち、いずれも4月13日(月)に通常運用へ復帰しています。

SA・PA店舗の営業時間にも影響が

 全国的に、SA・PA店舗の営業が縮小しています。

SA・PA店舗の営業縮小・休止

 全国のSA・PAで店舗の営業時間短縮や、営業休止が実施されています。3月からNEXCO中日本とNEXCO西日本の管内で、営業体制の確保などを理由に短縮営業を行う店舗が出ていたところ、NEXCO東日本管内でも4月以降、国や自治体の外出自粛要請などを受け、管内の広い範囲で同様の措置がとられています。

 なかには「スターバックスコーヒー」のように、政府による緊急事態宣言の対象となっている7都府県のSA・PAにおいて一律に営業を休止しているテナントもあります。ほかにも、緊急事態宣言後に時短営業を行っていた店舗が、営業を休止する例も増えており、NEXCO3社は随時、ウェブサイトで営業状況の情報を更新しています。NEXCO東日本は、各種対応を確認しやすいようウェブサイトのレイアウトも変更したといいます。

 また、首都高や阪神高速といった都市高速道路でも、7都府県の休業要請や外出自粛要請を受けるかたちで、4月11日(土)以降、PA内のレストランや売店の営業時間を縮小しています。なお首都高では、4か所に設けている屋内喫煙所についても閉鎖しています。

高速道路の新型コロナ対応まとめ SA従業員や料金所係員が感染 一時閉鎖も

首都高のPAでも店舗の短縮営業が実施されている。写真はイメージ(2019年12月、中島洋平撮影)。

「ETC周遊パス」の新規申し込み停止

 NEXCO3社および阪神高速道路は、特定エリアの高速道路が乗り放題になるETC限定「周遊パス」(発行会社ごとに名称が異なる)の新規申し込みを停止しています。

※ ※ ※

 NEXCO東日本は原則として、商業施設や料金所のスタッフなどのマスク着用、施設内へのアルコール消毒液の設置、ドアノブやテーブルといった接触が多い箇所の消毒を行っているといいます。ただし、こうしたマスクや消毒液の在庫不足により調達ができず、実施できていない箇所もあるとしています。

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