記録尽くめの今年の猛暑も、ようやく衰えを見せ始めた。一時は海水温が30度を超え、魚たちにとっても厳しいシーズンだったのではないか。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)
常滑りんくう釣り護岸で投げ釣り
釣行当日の潮は、旧暦8月16日の大潮で、前夜が中秋の名月。満潮は午前6時12分、干潮は12時27分。
今日のファミリーは長澤さんと小学5年生の怜央くん。もう1家族は横江さんと小学5年生の隆之介くん。
私は始発の地下鉄から名鉄に乗り換え、午前7時前に釣り場に到着した。この釣り場は名鉄「りんくう常滑駅」からすぐで、近くにスーパーやトイレ・自販機があり、電車利用の釣り場としてもお勧めしたい。
陸橋の上から釣り場を見ると横江さんが手を振っている。様子を聞くと、朝一番に常滑港でアジを釣ってきたという。泳がせ釣りのエサに使うそうだ。
基本は投げ釣りだが、隆之介くんがルアーや泳がせ釣りをするという。北側へ進んで長澤さんファミリーと合流、ここに釣り座を構えた。
当日のタックル
タックルから紹介しよう。サオはがまかつバトルサーフ4mオモリ負荷30号。
オモリは富士工業の海草固定天秤23号に自作の仕掛け。ハリはがまかつキス6号4本。エサはイシゴカイをハリの長さだけ刺している。
10~15cm級ハゼ&小ダイ活況
100mへ投げた仕掛けにちょんちょんとアタリがある。キスとは違うなぁと思いながら仕掛けを巻き上げると、15cmの小ダイがダブルで釣れた。次は13cmのハゼがダブル。
釣れるのはハゼと小ダイだけで、キスのアタリは全くない。キスはどこへ行ったのだろう。
5投目のサオをさびいていると、突然大きな引きがあった。慌ててサオを水平にし、リールのストッパーをフリーにしてのみ込みを待ったが、飛びついてこなかった。仕掛けを上げるとハリスから切られていた。引きの強さからしてマゴチかヒラメに違いない。
すぐにキス用の細仕掛けから、マゴチ・ヒラメ用の2本バリ仕掛けにチェンジして大物の食い込みを待つが、やや太い仕掛けにもハゼや小ダイが釣れてくる。
隣の長澤さん親子も同じようにハゼと小ダイを上げている。夕食はハゼの天ぷらにしたいと意気込んでいる。

投げて良型ハゼ3連
左隣で釣っていた若者2人が釣果をぶら下げて私の側にやってきた。この魚はなんですか?見ると市販のサビキ仕掛けにカタクチイワシが釣れている。「それはカタクチイワシです」と答える。
私は会社員として転勤を重ね、ほぼ全国を歩いてきたが、なかでも広島は思い出が多い。カタクチイワシといえば広島と松山が有名。広島では「100回洗えば鯛の味」とカタクチイワシをたたえ、松山では「ホータレイワシ」と呼ぶ。語源は頬が垂れるほどおいしいということらしい。
それらのことを若者に話した。2人は同級生で加藤さんと吉田さんと名乗った。どうも釣りは初心者らしく少し手ほどきをした。
投げ方をレクチャーし、仕掛けを投げ仕様に替えると、途端に3本バリに3匹のハゼや小ダイなどが釣れ始めた。

チョイ投げザオにマゴチ46cmヒット
正午すぎ、長澤怜央くんのチョイ投げのサオになにかきたらしい。重そうにリールを巻いている。海面に姿を現したのは大物マゴチ、このままでは取り込めない。周りの釣り人にタモの応援を頼むと、すぐに駆けつけてきてタモですくい上げてくれた。
堤防上に横たわるマゴチは一目で大物と分かる。メジャーを当てると46cm、堂々とした大物だ。早速ナイフで血抜きをしてクーラーに収める。
長澤家はハゼの天ぷらにマゴチの刺し身だそうだ。

秋の釣りシーズン到来
午後1時すぎに納竿して帰路についた。今日の釣果はハゼと小ダイで、狙ったキスは影も形も見えなかった。マゴチやヒラメの可能性も高く侮れない。これから早朝にはイワシやアジのサビキ釣りも活況を見せるだろう。
釣れる時間帯は、基本的に朝&夕マヅメ、上げ三分と下げ三分と言われる。潮は大潮か中潮を選んで釣行したい。

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<週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明/TSURINEWS編>
▼この釣り場について常滑りんくう釣り護岸
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年10月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。