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 夏の新潟開催も、はや4週目。伝統のマイル重賞、GIII関屋記念(新潟・芝1600m)が8月16日に行なわれる。



 過去10年の1番人気の結果は、3勝、2着2回、3着1回、着外4回と、可もなく不可もなく。大波乱が起こっている印象はない。それでも、3連単の配当はすべて万馬券。10万円超えの好配当も3回出ており、オイシイ馬券をゲットできるチャンスは十分にある。

 このレースの傾向について、スポーツ報知の坂本達洋記者は、「例年のパターンとしては、GIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)や、GIII中京記念(中京・芝1600m)から参戦してくる馬の好走例が多いです」と語るが、今年はちょっと様相が違うと言う。

「なにしろ、今年の中京記念(7月19日)は、阪神競馬場(芝1600m)で開催されました。
しかも、最低人気のメイケイダイハード(牡5歳)が勝って大波乱を演出。これまでのように、レース予想の材料にするには、心許ないレースとなってしまいました。

 また、先週日曜日の新潟のレースは不良馬場で行なわれたレースがほとんどで、馬場がだいぶ荒れてしまったように思います。

 そうなると、例年のような"平坦で時計が速い新潟"といったイメージは振り払って、予想を組み立てるべきでしょう。力を要する荒れ馬場を苦にしない馬、あるいは前でしぶとく粘り切れる馬をピックアップしたいですね」

 そこで、なんと坂本記者は、GII京王杯スプリングC(5月16日/東京・芝1400m)で13着に沈んだドーヴァー(牡7歳)の名前を挙げた。

「追い込み脚質で、成績にはムラがありますが、ハマッた時には一発が見込める、妙味たっぷりなタイプです。

前走の京王杯スプリングCでの惨敗は、スタートでトモをひねって出遅れた結果。参考外と見ていいでしょう。

 昨秋のオープン特別・キャピタルS(東京・芝1600m)では、不良馬場をものともせず、7番人気ながら決め手を発揮して完勝。2歳時の話とはいえ、新馬戦でも重馬場で、のちにGIオークスで2着となるチェッキーノを破っています。渋った馬場での適性は、間違いなく高いでしょう。

 今週末も、新潟は天気が崩れる予報が出ています。
他の馬が馬場を気にするなか、大外から力強く追い込んでくる可能性は大いにあります」

 坂本記者はもう1頭、推奨馬を挙げる。

ミラアイトーン(牡6歳)です。こちらは、先行力が魅力。おそらく逃げると思われるトロワゼトワル(牝5歳)の番手で運べそうなのも、好材料です。

 近走は復調気配を見せており、前走のオープン特別・巴賞(7月5日/函館・芝1800m)でも、逃げ切ったトーラスジェミニこそ捕まえ切れませんでしたが、2着に踏ん張りました。洋芝で好走したように、力を要する馬場もこなせそうです。


 直線の長い新潟コースがカギになりますが、3走前のオープン特別・谷川岳S(5月9日/新潟・芝1600m)で3着と健闘。直線が平坦なコースにあって、馬場が渋って前が止まらず、追い込み勢が伸びない展開となれば、この馬の出番があってもおかしくないでしょう」


関屋記念は例年と異なる様相。穴党記者は驚愕の穴馬4頭を推すの画像はこちら >>

関屋記念での大駆けが期待されるミッキーブリランテ

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、中京記念5着のミッキーブリランテ(牡4歳)を推す。

「前走の中京記念は、中団から手応え十分で、勝負どころを迎えると、楽にポジションを上げていって、早め先頭の形から押し切りそうな勢いでした。結局、5着に終わったものの、決して悲観する内容ではなかったと思います。

 新潟では、昨夏の3勝クラス・長岡S(新潟・芝1600m)で4着に敗れていますが、同レースでは逃げる形になったことが災いした印象です。本来は、馬群でレースをしたほうが闘争心に火がついて、パフォーマンスが上がるタイプ。
左回りにも勝ち鞍がありますから、十分に対応は可能と見ています。

 今回は、テン乗りで岩田康誠騎手が鞍上を務めますが、勝負師ですし、思い切りのいい騎乗スタイルが、同馬にもマッチすると踏んでいます。好位でも、控えても力を出せるタイプで、うまく馬込みで脚をタメることができれば、このメンバーの中に入っても、好勝負に持ち込めると思います」

 大西記者ももう1頭、オススメしたい馬がいるという。GIII中山牝馬S(3月14日/中山・芝1800m)からおよそ5カ月の休養を経て挑む、メイショウグロッケ(牝6歳)だ。

「前走の中山牝馬Sでは14着と大敗を喫しましたが、全5勝はすべてワンターンのコースで挙げたもので、コーナー4つの中山・芝1800mは合わなかった、と見ています。2走前のGIII京都牝馬S(2月22日/京都・芝1400m)では、のちにGIヴィクトリアマイルで2着となったサウンドキアラの3着に入っていますし、今は1400m~1600mくらいの距離のほうが力を発揮できそうな気がします。



 休み明けになりますが、丹念に乗り込まれており、仕上がりに不安はありません。昨秋の2勝クラス・柏崎特別(新潟・芝1600m)を圧勝した時も、約5カ月半ぶりの実戦でしたからね。気性的にも久々を苦にするタイプではありません。

 新潟コースも、3戦3勝と相性は抜群。昨秋からの充実ぶりは顕著で、6歳夏となった今が、心身ともに一番と言える状態です。牡馬相手でも、この条件ならひけを取ることはないでしょう」

 一昨年の覇者プリモシーン(牝5歳)が人気を集めそうだが、曲者ぞろいのメンバー構成で、馬場や展開次第では思わぬ馬の台頭が十分に考えられる。とすれば、ここに名前が挙がった4頭が、かつてない波乱を起こしたとしても不思議ではない。