GI5週連続開催を終えた東京競馬場では今週、GIIIエプソムC(6月13日/東京・芝1800m)が行なわれる。昨年は3連単で421万9320円という超高配当が飛び出すなど、比較的波乱の多いレースだ。

 そのレースの傾向について、スポーツ報知の坂本達洋記者はこう語る。

「明け4歳馬が優位な一戦で、過去10年で7勝しています。今年も7頭の4歳馬が出走予定。なかでも昨年、クラシック路線を歩んできた実力派が人気になるでしょう」

 だが、坂本記者は「馬券的な妙味は別にある」として、同じ4歳馬でも「徐々に本格化してきた"上がり馬"を狙いたい」という。そして、現在3連勝中のヤシャマル(牡4歳)に白羽の矢を立てる。

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重賞初出走ながら、現在3連勝中と勢いのあるヤシャマル

「今回が重賞初挑戦となりますが、これまで14戦して掲示板を外したのは1度だけ。
大崩れせずに、相手なりに走れるタイプです。その分、やや詰めが甘い面がありましたが、今年に入ってから馬体重が500kgの大台に乗ると、1勝クラスから3連勝。一気にオープン入りを果たしました。

 心身ともに本格化して、上昇著しい状態にある点は見逃せません。加えて、東京コースは8戦して4勝、2着2回、3着1回、着外1回と好相性。速い上がり勝負にも対応できています。

1週前の追い切りも、美浦のウッドコースでびっしりと攻められて、一発気配がムンンムンです」

 同じく4歳馬の伏兵に注目するのが、デイリースポーツの大西修平記者。GI皐月賞(中山・芝2000m)で3着と奮闘したガロアクリーク(牡4歳)の勝ち負けを期待する。

「前走のオープン特別・都大路S(5月15日/中京・芝2000m)は跛行(はこう。※歩様に異常をきたしている状態)で除外となりましたが、その後の調整は順調そのもの。1週前追い切りでも、新馬勝ち以来のコンビとなる鞍上の野中悠太郎騎手を乗せて、しっかりと併せ馬を消化しました。活気ある動きを見せて、態勢は整っていると言っていいでしょう。

 昨秋のGI菊花賞(京都・芝3000m)9着のあと、一気の距離短縮となったオープン特別のディセンバーS(中山・芝1800m)では3着。1番人気に応えることはできませんでしたが、昨春のGIIスプリングS(中山・芝1800m)も勝っているように、1800m前後の距離は合っているように思います。

 父キンシャサノキセキ譲りの切れる末脚も魅力のひとつ。直線が長く、開催の進んだ今の東京コースもぴったりではないでしょうか。使えばさらによくなる印象もありますが、ここでは地力上位の存在。自分のリズムで運べるようなら、十分に好勝負を演じられると思います」

 実は、大西記者にはこのガロアクリーク以上に期待している馬がいるという。

セダブリランテス(牡7歳)です。前走のオープン特別・六甲S(3月28日/阪神・芝1600m)は、およそ1年3カ月ぶりの実戦。自身初のマイル戦ということもあって6着に敗れましたが、好位2番手で積極的にレースを運ぶなど、収穫の多い一戦でもありました。

 今回は再び、それから約2カ月半ぶりのレースとなりますが、長期休養明けを一度使った効果は大きいです。7歳になったものの、過去に2度も1年以上の休みがあって、キャリアはいまだ8戦。馬には若さが感じられ、活気も十分です。

 芝1800m戦は3戦3勝と最も結果が出ている条件。積極的に流れに乗る競馬もできますし、ある程度タメる形になれば、最後は必ず伸びてくる末脚の持ち主でもあります。鞍上は、全5勝中3勝を挙げている石川裕紀人騎手。持ち味を引き出して、ここでもいいレースを見せてくれるはずです」

 セダブリランテスについては、坂本記者も気になる存在だという。

「なかなか順調に使ってこられなかった馬ですが、デビュー3連勝で重賞制覇を遂げるなど、ポテンシャルの高い馬であることは明らか。浅屈腱炎による約1年3カ月の長期休養明けだった前走の六甲Sでは6着に敗れましたが、久々の影響か、輸送でも入れ込んで馬体減での出走。

度外視してもいいでしょう。

 この中間は美浦のウッドコースで、2週前、1週前と十分な負荷をかけての追い切りを実施。大いに上積みが見込めます。素質馬の"意地"の復活劇があっても不思議ではありません」

 今年も波乱ムードが漂うエプソムC。その立役者となるのは、どの馬か。ここに挙げた3頭がその候補であることは間違いない。