8月8日、函館競馬場でGⅢエルムS(ダート1700m)が行なわれる。

 通常は札幌で開催されるこのレース。

今年は東京オリンピック・パラリンピックの影響で、8年ぶりに函館で行なわれる。ただ、競馬場が異なるとはいえ、同じ右回りの1700mで、直線距離も札幌の264.3mに対して函館は260.3m。高低差は札幌が0.9m、函館が3.5mと差はあるが、それ以外は大きな違いはなく、例年どおりの傾向が出そうだ。

 今年は9頭の重賞勝ち馬が揃い、レベルの高い争いが予想される。その中で筆者が注目するのは重賞未勝利のソリストサンダー(牡6歳/栗東・高柳大輔厩舎)だ。

エルムSは、ダート1700mが得意な6歳馬2頭に注目。血統か...の画像はこちら >>

今年1月の門司Sで勝利したソリストサンダー

 同馬は昨夏、3勝クラスのTVh賞(札幌/ダート1700m)を勝ってオープン入り。
その後、GⅢ武蔵野S(東京/ダート1600m)2着、門司S(小倉/ダート1700m)勝利、そして前走の地方交流GⅠかしわ記念(船橋/ダート1600m)でハナ差2着と、オープン・重賞レースで実績を重ねながら、着実に力をつけてきている。

 1600mの重賞で実績を残しているが、この馬が最も得意とするのがこの1700mだ。これまで6戦して3勝、3着2回。函館、札幌、小倉で勝利を挙げている。オープン入り後、重賞戦線で経験を重ねて得意舞台に戻る今回のエルムSは、重賞初制覇に相応しい舞台と言えるだろう。

 父トビーズコーナーは米GⅠウッドメモリアルS(ダート9F)の勝ち馬。
まだJRA重賞勝ち馬は出していないが、ダート1700mでは44戦7勝で勝率15.9%、連対率22.7%と、距離別で最も高い数字を残しており、血統面からの後押しも十分だ。

 もう1頭挙げるならばスワーヴアラミス(牡6歳/栗東・須貝尚介厩舎)を推したい。前走、同じコースで行なわれたマリーンSを、57.5kgの重いハンデながら勝利。昨年3月にGⅢマーチS(中山/ダート1800m)で勝利して以降は勝てないレースが続いていたが、それ以来7戦&1年4カ月ぶりの勝利を飾っている。

 重賞勝ちは1800mでのレースだったが、この馬は1700mも得意で、4戦して2勝、2着1回、3着1回。3着を外さない安定した成績を残している。



 父ハーツクライはGⅠ有馬記念(中山/芝2500m)を勝った名馬だが、最近はダートの活躍馬も多く、昨年のエルムSの勝ち馬タイムフライヤーもハーツクライ産駒。タイムフライヤーは今年もこのレースに出走予定だが、前走のマリーンSでは58kgのトップハンデを背負ったとはいえ、1番人気に推されながら12着と惨敗している。昨年はマリーンSとエルムSを連勝していたので、勢いという面ではちょっと推しにくい状態だ。

 過去3年のエルムSの勝ち馬は2018年のハイランドピークがマリーンS2着、2019年のモズアトラクションもマリーンS2着、そして昨年のタイムフライヤーがマリーンS1着と、いずれもマリーンSで好走している。今年はスワーヴアラミスが続きたいところだ。

 以上、今年のエルムSは、ソリストサンダー、スワーヴアラミスの6歳馬2頭に期待する。