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堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第48回

スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は、前回の2022年GIベストレースでは取り上げることができなかった印象深い一戦と、堤アナが年明けに「大きなショックを受けた」という出来事について語ってもらった――。



堤礼実アナが語った「すごくショックな出来事」。年明けに発表された競馬界のニュース
 2022年度のJRA賞が1月10日に発表され、その授賞式が1月30日に行なわれました。年度代表馬として表彰されたのはイクイノックスでした。

 春の3歳クラシック戦線では惜敗続きだったものの、秋になってからは歴戦の古馬を相手に天皇賞・秋、有馬記念とGⅠを連勝。年度代表馬選出は文句なしの結果だったと思います。

 その他、昨年活躍した馬たちが各賞を受賞しましたが、なかでも個人的に大きな拍手を送りたいなと思ったのは、最優秀障害馬に選ばれたオジュウチョウサンです。

 昨年末の中山大障害で現役を退いたオジュウチョウサンですが、長年障害レースの「絶対王者」として君臨。

11歳になった昨年も、4月の中山グランドジャンプに勝利して障害GI通算9勝目を飾りました。

 障害レースは馬体への負担も大きいと思いますが、11歳まで現役で走り続け、生涯成績は40戦20勝。2歳秋のデビュー戦から、出走全レースのうち半分を勝っているのですから驚異的です。

 舞台こそ違いますが、GⅠ通算9勝はアーモンドアイと同じ数字ですし、これは本当に偉大な記録だと思います。

 2018年には、障害レースの重賞で9連勝を飾ったあと、芝の条件戦でも2連勝を飾って有馬記念に出走。まだまだ競馬の知識が浅かった私には、その価値がよくわかっていませんでしたが、今思うと本当にすごいことを成し遂げたのだな、と痛感させられます。

 引退レースとなった中山大障害では1番人気に推されながら6着に敗れてしまいましたが、2年連続5度目のJRA賞受賞馬に名を連ねたことは、とてもうれしい結果でした。今後は種牡馬になるとのことですから、どんな産駒を送り出してくれるのか。お父さんとしての活躍も楽しみにしたいと思っています。



堤礼実アナが語った「すごくショックな出来事」。年明けに発表された競馬界のニュース
 一方で、最優秀4歳以上牝馬に選ばれたジェラルディーナは、今後のさらなる飛躍が楽しみな1頭です。

 父モーリス、母ジェンティルドンナという超良血馬で、早くからその活躍が期待されていましたが、大舞台ではなかなか結果を出せずにいました。それが、4歳となった昨年、ようやくその才能が開花。

エリザベス女王杯でGI制覇を遂げると、続く有馬記念でも強豪牡馬相手に3着と好走しました。これからまだまだ強くなる馬だと思います。

 個人的には、牡馬混合のGI制覇への期待が膨らんでいます。そういう意味でも、ジェラルディーナが今年はどのレースに走るのか注目しています。

 ところで、前回の連載では2022年のGIレースから"超私的なベスト3"を選ばせていただきましたが、すべてのレースを振り返ってみれば、「あれも印象的だったよな」「これにも触れておきたかったな」と思うレースがたくさんありました。

 すぐに思いつくだけでも、CBC賞、札幌記念、毎日王冠、スプリンターズS、菊花賞、チャンピオンズC......などなど、本当に挙げ始めたらキリがありません。

GⅠだけに限らず、魅力的なレースにたくさん出会うことができた一年でした。

 そうしたレースのなかでも、この機会に触れておきたいレースがあります。それは、ナランフレグが勝った高松宮記念です。

 ナランフレグ騎乗の丸田恭介騎手は、デビュー16年目にして初のGⅠ制覇。レース後の勝利ジョッキーインタビューもすごく印象的で、「"もっと喜んでいいんだよ"とファンの人に言われました」というエピソードには、胸にグッとくるものがありました。

 大きなレースになればなるほど、勝者にばかり目を向けてしまって、ついつい忘れてしまいがちになりますが、ほとんどの騎手や競走馬たちはGⅠタイトルを手にすることなく引退していきます。

そんな厳しい勝負の世界で、GⅠを勝つということがどれだけ価値のあることなのか。その事実を、丸田騎手から教えてもらったような気がします。

 競馬番組に携わる人間として、全ホースマンが1回1回のレースにかける思いをしっかりと受け止めて、その一戦、その競馬をきちんと伝えていきたい――。丸田騎手が初のGI制覇を遂げた高松宮記念は、改めてそんな思いにさせてもらったレースでした。

 その丸田騎手を先陣にして、昨年は初GⅠ制覇を果たすジョッキーが数多く誕生。今年もまた、新たなGⅠジョッキーの誕生を楽しみにしたいと思っています。



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 さて、2023年がスタートしたばかりの1月、個人的にすごくショックな出来事がありました。全競走馬のなかで私が一番好きだった馬、リフレイムが引退してしまったのです。

 昨年12月に2度目のオープン勝ちを決めたばかりなのに、それからわずか1カ月ほどで引退が決まってしまうとは......。まだまだ走ってくれると当たり前のように思っていたので、大きなショックを受けています。

 私がリフレイムのファンになったのは、その走りはもちろんのこと、SNSを通じて知る彼女のさまざまな情報がきっかけでした。

 聞けば、リフレイムは食べる、寝るが大好きだとのこと。レース前のパドック周回中でも寝ようとしてしまうほど、とにかくいつもゴロゴロしている。私自身、寝るのが大好き、食べるのが大好きなので、自然と彼女にシンパシーを感じ、愛おしくなっていました。

 競馬においても一生懸命走るあまりに斜行癖があったりするのですが、それを苦にせず圧勝する強さがあったり、芝もダートもどちらも走れる器用さがあったり。オンとオフのギャップが大きいことも、リフレイムの魅力でした。

 故障発生による引退なので、ファンとしてはショックであると同時に、体の具合が心配ではありますが、どうやら症状は改善されてきているとのこと。診療所を退院して北海道に向かったようですし、無事に繁殖入りしてくれたらな、と心から願っています。

 体の不調もあり、まだまだ気が早すぎるとは思いつつも、繁殖に入るとなった場合には、初年度にはコントレイルをつけるという話も。コントレイルも私にとっては思い入れのある1頭ですから、同馬とリフレイムの間に子どもが生まれるのなら、応援せずにはいられません!

 無事に生まれた際には、ぜひ取材に行って実際に会いたいですし、デビューするとなったら毎回応援馬券を買ってしまうかもしれません(笑)。

 現役競走馬としては残念な終わり方になってしまいましたが、リフレイムには今までありがとうという気持ちを伝えたいですし、まずは万全な体に戻ることを祈っています。

堤礼実アナが語った「すごくショックな出来事」。年明けに発表された競馬界のニュース
Profile
堤 礼実(つつみ・れいみ) 2016年フジテレビ入社。
1993年11月23日生まれ、米国カリフォルニア州サンノゼ出身。
血液型:O型。趣味:ミュージカル鑑賞、ダンス。
好きなもの:東宝ミュージカル、宝塚歌劇、ハプスブルク家、
パクチー、チーズ。
モットー:「一瞬一瞬を大切に」「意志のあるところに道はある」

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