【注目はシンボリクリスエスの血】

 4月26日(土)、東京競馬場で3歳馬によるGⅡ青葉賞(芝2400m)が行なわれる。

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 このレースは、6月1日に行われるGⅠ日本ダービーのトライアルレース。同じ舞台での開催でグレードも高いため、GⅠ皐月賞を除けば最も重要な前哨戦と思われるが......創設以来、青葉賞の勝ち馬からダービー馬が出たことはない。

とはいえ、重賞に昇格した1994年以降は82頭が出走し、2着6回、3着6回で連対率は7.3%、複勝率14.6%と、複勝率はまずまずの数字が残っている。

 惜敗した馬のレース内容を見ても、2023年3着のハーツコンチェルトは勝ち馬からタイム差なし、2012年2着のフェノーメノはハナ差の2着。2011年2着のウインバリアシオンは、三冠馬オルフェーヴルには敗れたものの、3着に7馬身差をつけるなど勝ちに等しい好内容を見せたことも多い。

 さらに、今年の青葉賞は開催時期が1週間早まり、ダービーまでの間隔が中4週と長くなった。間隔が開くほど調整がしやすくなるので、青葉賞組のダービー成績も今後は変わってきそうだ。

 レースを血統的視点から占っていこう。勝ち馬の血統を見ると、名を多く見せるのがシンボリクリスエスの血だ。

 2002年の勝ち馬で、日本ダービーではタニノギムレットに次ぐ2着に入った。父としては2009年のアプレザンレーヴ、2014年のショウナンラグーンと2頭の勝ち馬を輩出。「母の父」としても、2017年アドミラブル、2020年オーソリティ、2023年スキルヴィングと、3頭の勝ち馬を出している。父としては12戦2勝、3着1回、母の父としては8戦3勝、3着1回となかなかの好成績だ。

 今回の出走馬のなかには直仔はおらず、母の父にこの血を持つ馬もいないが、直系の孫で代表産駒エピファネイアを父に持つガルダイア(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が出走を予定している。

 エピファネイア自身は日本ダービーで2着に入っており、2021年には産駒のエフフォーリアが日本ダービーでハナ差の2着、昨年にはダノンデサイルが優勝している。青葉賞の勝利はないが、2020年にはデアリングタクトが「東京・芝2400m」のGⅠオークスを制しており、このコースとの相性は良好だ。

 ガルダイアは、半姉にGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)を制したアエロリット、いとこにも同レースを制したミッキーアイルがいる良血。スピードタイプが多い牝系だが、母の父ネオユニヴァースも日本ダービー馬で、ダービーをイメージさせる配合馬だ。

 戦績はここまで4戦1勝で、前走の毎日杯(阪神・芝1800m)では2着。勝ったファンダムが上がり3F32秒5という驚異の末脚で差し切ったが、ガルダイアも33秒5でまとめており、評価できる内容だった。

東京競馬場では、10月の新馬戦(芝1800m)で2着に1馬身3/4差をつけて勝利。2戦目のベゴニア賞(東京・芝1600m)では、5番手に控えて3着に入ったように、展開に応じて戦法を変えられる自在性もあるため期待したい。

【対抗はコース実績のある血を持つ馬】

 もう1頭はゲルチュタール(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)を推す。同馬の父ブリックスアンドモルタルの産駒は、GⅢサウジアラビアロイヤルC(東京・芝1600m)を勝ったゴンバデカーブース、地方交流GⅠJBCレディスクラシック(佐賀・ダート1860m)を勝ったアンモシエラなどがいる。

 日本ではまだ2世代の産駒しか出走しておらず、芝の1600~2000mの好成績が目立つ。だが、ブリックスアンドモルタル自身は米GⅠBCターフ(芝約2400m)の勝ち馬で、もっと長い距離の適性を秘めていると見る。

また、母の父ゼンノロブロイは2003年の青葉賞の勝ち馬で、日本ダービーで2着、ジャパンCで勝利。その産駒サンテミリオンはオークスを制するなど、東京・芝2400mでの実績は十分だ。

 ゲルチュタールはその血を受け継ぎ、芝2400mで行なわれた前走のゆきやなぎ賞(阪神)を勝利。勝ちタイムの2分24秒6は、従来の記録を1秒3更新するレースレコードだった。直線に入ってから早めに先頭に立ち押し切る強い内容で、2400mの適性の高さを感じさせた。

 以上、今年の青葉賞は、エピファネイア産駒ガルダイア、ブリックスアンドモルタル産駒ゲルチュタールの2頭に期待する。

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