3歳馬によるダート重賞、GIIIレパードS(新潟・ダート1800m)が8月10日に行なわれる。

 上がり馬が多い3歳夏のダート戦線。

この時期はまだ未対戦の馬も多く、力関係の見極めが難しいところだが、過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着3回、3着1回と比較的安定した成績を残している。

 しかし一方で、10番人気以下の馬も2勝、2着4回、3着2回と、ほぼ毎年のように馬券に絡んでいて、3連単では高配当が続出。2017年の80万円超えを筆頭に、10万円超えの高額配当が6回も出ている。まさに波乱含みのレースで、ひと筋縄ではいかない一戦であることは間違いない。

 そういった難解なレースにあって、狙い目となるのはどういった馬なのか。スポーツニッポンの"万哲"こと、小田哲也記者はこんな見解を示す。

「レパードSは、3歳馬限定のダート重賞という特殊なレース。この時期にダートを主戦とした3歳のオープン馬というのは限られているため、条件馬も多数出走し、例年フルゲート(15頭立て)になるのが通例です。

 そうしたなか、前走で1勝クラスを勝ち上がったばかりの馬も抽選で出走してきますが、過去10年、これらはよくても2着まで。しかし同じ条件組でも、前走で2勝クラスを勝ったばかりの馬は、2021年のメイショウムラクモ、2022年のカフジオクタゴンと連勝しています。

 2023年の勝ち馬ライオットガールも、前走では3勝クラスのレースで4着に敗れていますが、その前のレースで2勝クラスを勝ち上がっていた馬。つまり、直近で2勝クラスを勝ち上がっている"条件馬"には注目したいですね。

 なお、直近5年の優勝馬は、コーナー4つのダート1700m以上のレースでの勝利経験がありました。ワンターンのダート1400m戦や、東京のダート1600mなどに良績が集中している馬は、人気でも少し疑ってかかったほうがいいかもしれません。

 あと、新潟・ダート1800mはコーナーがキツく、タイトなコーナーを回ってから追い上げて勝つのは難しい舞台。過去10年の勝ち馬のうち、7頭は最終コーナーで4番手以内にいた逃げ・先行馬でした。新潟の最後の直線は平坦ですから、粘り込みやすいコースでもあります」

 こうした過去の傾向を受けて、小田記者は以下の人気どころについては疑念の目を向ける。

「まず、クリストフ・ルメール騎手騎乗で人気が予想されるヴィンセンシオ(牡3歳)。潜在能力は超A級であっても、なにしろ今回が初のダート戦。不安は拭えません。

 そのほか、ポールセン(牡3歳)はコーナー4つの競馬が初めて。ジャナドリア(牡3歳)は当舞台の新馬戦を勝っているとはいえ、陣営から『夏場は決していいとは言えない』といった声も聞かれ、それぞれ全幅の信頼を置くまでには至りません」

 そこで、小田記者は大駆けが期待できる2頭の穴馬候補をピックアップした。

「1頭目は、ルグランヴァン(牡3歳)です。管理する高木登調教師が『3走前にチークピーシーズをつけてから競馬が安定してきた』と話すとおり、直近3戦は2着→1着→1着。

前走で2勝クラスを勝ったばかりと、レパードSの好走条件にも当てはまります。

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 中山・ダート1800mの舞台で勝っているように、コーナー4つの競馬にも対応済み。さらに、直近2戦の東京・ダート1600m戦において、ラクに好位につけている機動力が本物であれば、コーナーがきつい今回のコースにも難なく対応できるはずです。

 前走の2勝クラス(6月15日/東京・ダート1600m)では、時計が出やすい重馬場だったとはいえ、GIフェブラリーSを勝ってもおかしくないような、1分34秒4という猛時計をマーク。新潟は週中から雨が続いており、速い時計が出やすい馬場となれば、一段と評価を高めてもいいでしょう」

 小田記者が推奨するもう1頭は、ロードラビリンス(牡3歳)。同馬も前走で2勝クラスの加古川特別(6月7日/阪神・ダート1800m)を勝ち上がってきた馬だ。

「穴馬とは言いにくいかもしれませんが、2勝クラスを勝ったばかりの馬でデータ的にはOK。京都・ダート1800m、阪神・ダート1800mと、コーナー4つの舞台でもスムーズな競馬を見せて快勝しています。

 加えて、昨夏には不良馬場の未勝利戦(中京・ダート1800m)を勝っており、週末まで雨が続いても対応可能。すでに左回りのレースで勝っている点も強調材料になります。

 川田将雅騎手騎乗で人気が予想されますが、1、2番人気になることがなさそうなここは"買い"。これまでに結構強い相手と戦っていることを考えれば、勝ち負け必至と言えます」

 伸び盛りの3歳馬による戦いゆえ、馬券的な妙味は十分。

今年のレースで好配当をもたらすのは、ここに挙げた2頭であってもおかしくない。

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