選抜2026注目の逸材(投手編)

 3月19日に阪神甲子園球場で開幕する第98回選抜高校野球大会(センバツ)。今大会は菰田陽生(山梨学院)、織田翔希(横浜)、末吉良丞(沖縄尚学)の「BIG3」が揃い踏みするなど、好素材が目白押しだ。

投手編・野手編に分けて、今大会の注目選手を紹介していこう。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速1...の画像はこちら >>

菰田陽生(山梨学院3年/194センチ・102キロ/右投右打)

マウンドにそびえる姿だけで、胸が躍る怪童。野球の神様からの授かりものとしか思えない巨躯に、無尽蔵のエンジン。最速152キロという数字は、眠っている能力を思えばたいした意味をなさない。目先の結果ではなく、5年後、10年後に思いを馳せながら見守りたい存在だ。長身ながら縦の角度を使うタイプではなく、バランスよく並進運動するタイプ。右ヒジ痛明けの昨秋は投手としては不完全燃焼に終わったが、実戦派左腕・檜垣瑠輝斗(3年)の奮戦もあって関東大会優勝。毎回、甲子園では新たな一面を見せているだけに、3回目の聖地でも進化した姿を見せてくれる予感がする。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
昨年春の選抜でも奥村頼人らと共に優勝に貢献した織田翔希 photo by Ryuki Matsuhashi

織田翔希(横浜3年/185センチ・80キロ/右投右打)

本格派の王道を邁進する大物右腕。重力に逆らうような最速154キロの快速球、長身かつ柔軟なフィジカル、高校1年時から「勝てる投手」を標榜する精神面。近年にこれほど心技体のバランスの取れた高校生投手はいなかった。名門・横浜の長い歴史のなかでも、投手としての資質の高さは松坂大輔(元レッドソックスほか)を超えてナンバーワンだろう。

あとは「怪物」の名にふさわしいだけのパフォーマンスで、新たな伝説を生み出せるか。昨春選抜は奥村頼人(ロッテ)ら強力投手陣で優勝をつかんだ。今春は大黒柱として真価が問われる。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
昨年夏の甲子園でチームを優勝に導いた沖縄尚学・末吉良丞 photo by Ryuki Matsuhashi

末吉良丞(沖縄尚学3年/175センチ・90キロ/左投左打)

泰然としたマウンド姿で、スコアボードにゼロを並べる本格派左腕。イメージとしては「馬力のある宮城大弥(オリックス)」。昨夏はエースとして甲子園優勝に導いた。比嘉公也監督が「シュートハイ」と呼ぶ、右打者の外角高めへ伸びながら逃げていく球筋が大きな武器。逆方向に曲がるスライダーとのコンビネーションは、高校生には攻略困難だ。昨秋以降は不振に苦しみ、本人も「落ちるところまで落ちた」と明かす。昨秋の九州大会はベスト8敗退で選抜出場は絶望的だったが、九州国際大付が明治神宮大会で優勝したことで九州地区の枠が増える幸運もあった。聖地で本来の姿を見せられるか。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
元巨人の大エース・斎藤雅樹を彷彿とさせる近江・上田健介 photo by Takahiro Kikuchi

上田健介(近江3年/182センチ・84キロ/右投右打)

底を見せていない速球派スリークォーター。

横手に近い角度からの力強いストレートと、横に曲がるカーブを武器にする投球は斎藤雅樹(元巨人)を彷彿とさせる。内面的には完全に感覚肌で、常人には理解しがたい世界観がある。自己最速は148キロだが、これは1年秋に計測したもの。右肩を痛めて以降、腕を振る角度が今の横位置に落ち着いた。近江は昨秋の近畿大会ベスト8から選抜切符を勝ち取ったが、総合力は高い。内野守備陣が堅いだけに、上田の球筋が暴れなければ勝ち上がる可能性を秘めている。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
最速153キロの速球を武器に高い奪三振率を誇る大阪桐蔭・吉岡貫介 photo by Takahiro Kikuchi

吉岡貫介(大阪桐蔭3年/174センチ・73キロ/右投右打)

外見ではなく、中身で勝負する右腕。一見すると平凡な体躯だが、最速153キロの快速球は強烈なスピンで打者のバットをかいくぐる。対右打者の外角への制球が身に染みついており、簡単にストライク先行の投球ができる。昨秋は公式戦34回を投げ、驚異の奪三振率12.97をマークした。肩・ヒジの故障歴があるため慎重な起用になりそうだが、2年生の大器・川本晴大も控えているため酷使せずに済むのは大きい。今春のパフォーマンス次第では、ドラフト上位戦線に浮上しても不思議ではない素材だ。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
最速149キロを誇る智辯学園の左腕・杉本真滉 photo by Takahiro Kikuchi

杉本真滉(智辯学園3年/177センチ・86キロ/左投左打)

馬力とマウンド度胸で勝負する左腕。最速149キロのストレートにスライダーを交え、三振を量産する。昨秋の公式戦では奪三振率12.84をマークした。守備のミスがあっても意に介さず、試合をコントロールできる胆力も魅力。智辯学園OBの伊原陵人(阪神)に続ける存在だろう。今大会は初戦で花巻東と対戦し、勝ち上がっても横浜と神村学園の勝者と戦う「死のブロック」に組み込まれた。それでも一発勝負なら牛耳ってしまう可能性も十分。投げっぷりのよさでチームに勢いをもたらしたい。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
昨年秋は登板数こそ少なかったが、素材のよさを見せつけた北照・中谷嘉希 photo by Sankei Visual

中谷嘉希(北照3年/183センチ・90キロ/右投右打)

大変身の期待がかかる素材型右腕。昨秋は実戦派右腕・島田爽介(3年)が獅子奮迅の働きを見せたため、登板機会は限られた。それでも最速149キロを計測する内蔵エンジンには、多くのスカウトが注目している。昨秋の明治神宮大会・英明戦では4回1失点にまとめ、大器の片鱗を見せた。

力感のないモーションから全身の力をリリースポイントに集約し、迫力満点のストレートを投げ込む。ひと冬越えた今春に別人のように進化していても、驚かない。聖地で満を持してヴェールを脱ぐか。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
昨年夏も甲子園のマウンドを踏んだ高川学園・木下瑛二 photo by Sankei Visual

木下瑛二(高川学園3年/178センチ・80キロ/右投右打)

中国地区きっての速球派右腕。高松庵治ヤングストーンズに所属した中学時代には、全国屈指の名門も獲得に動いたという。高川学園では昨夏の甲子園で先発登板し、最速146キロをマーク。鮮烈な印象を残し、甲子園ベスト16進出に貢献している。質の高いスライダー、チェンジアップを操れて、左右両打者とも打ち取るパターンを持つ。昨秋は公式戦9試合中5試合で完投するなど、中国大会準優勝の立役者になった。今春はひと回りたくましくなった姿を見せられれば、スカウト陣の耳目を引くはずだ。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
192センチの長身から投げ下ろす最速146キロの速球が武器の大阪桐蔭・川本晴大 photo by Takahiro Kikuchi

川本晴大(大阪桐蔭2年/192センチ・95キロ/左投左打)

来年のドラフト戦線を賑わせるであろう長身左腕。身長192センチとサイズがあるだけでなく、左腕を真上から叩きつけるため縦の角度がつく。

初見の打者からすると最速146キロの数字以上に迫力を感じるはずで、対策は困難を極める。中学3年春まで在籍した武蔵嵐山ボーイズでは、1学年上の高部陸(聖隷クリストファー)と二枚看板で全国優勝。3年時には侍ジャパンU−15代表に選ばれた。今春は吉岡貫介との左右二本柱が機能すれば、センバツ制覇が現実味を帯びてくる。

【高校野球】選抜の注目投手10人 194センチの怪童に最速154キロ右腕など怪物候補が目白押し
昨年秋の神宮大会優勝の立役者となった九州国際大付の岩見輝晟 photo by Takahiro Kikuchi

岩見輝晟(九州国際大付2年/187センチ・78キロ/左投左打)

類まれな資質を秘めた2年生左腕。ヤング志免レッドスピリッツに在籍した中学時代から評判の存在で、高校進学時には全国40校の間で争奪戦が繰り広げられた。スラリと手足の伸びたシルエットにはムードがあり、高い将来性を感じさせる。ストレートは常時140キロ前後ながら、キレのあるスライダーを交えてゲームメイクする。昨秋は背番号9ながら、実質的なエースとして明治神宮大会優勝を経験した。投打とも豊かな可能性を秘めており、初の聖地では大暴れが期待できる。

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