この記事をまとめると
■レーシングカーにはボディの至るところにステッカーが貼られている■これらステッカーはチームを支える企業やブランドのロゴだ
■カテゴリーによっては馴染みの飲食店や個人がスポンサーとなることも可能だ
ステッカーを貼って走ることでスポンサーに恩を返す
フォーミュラカーにせよ、GTカーやスポーツカーにせよ、ラリーカーにせよ、レーシングカーはさまざまなステッカーを装着。フロントセクションから両サイド、さらにリヤセクションに至るまで、いろんなステッカーが貼り付けられているが、あのステッカーは単なるデコレーションのための装飾ではない。いずれも、チームをサポートするスポンサーで、チームのモータースポーツ活動を支える企業およびブランドのロゴが貼り付けられていることはご存じのことだろう。
その企業の業種はじつに幅が広く、自動車メーカーやディーラーはもちろんのこと、タイヤメーカー、ブレーキ、ホイール、シート、ランプ、オイルなどのチームに物品を供給するサプライヤーが目立っているが、そのほかに、通信会社、飲料、電気、産業機器、玩具など、誰もがよく知る一般企業のロゴも少なくない。小さいステッカーを含めれば、ローカルの飲食店なども見受けられるが、いずれも“無償”でステッカーが貼られているわけではなく、どの企業&ブランドも“協賛”の対価としてマシンにロゴが貼り付けられているのである。
ちなみに、協賛とは必要なアイテムを供給する物品でのサポートもあれば、シンプルに活動予算をバックアップする金銭サポートもある。さらに、物品協賛にいたっては、純粋にアイテムをチームへ供給するスタイルとチームとサプライヤーが連携して共同開発を担うスタイルにわけられており、その協賛の仕方でステッカーの大きさやロゴを貼る位置が変わってくるようだ。
そのほか、サプライヤーのワンメイクコントロールが行われていたり、シリーズに対して協賛している企業はオフィシャルパートナーに位置付けられており、ロゴの大きさや貼り付け位置が指定されている。
F1などのトップカテゴリーでは小さなものでも億越え
一方、金銭サポートに関してはその金額で大きさやステッカーの貼る位置が変わってくるようで、その金額はカテゴリーや参戦クラス、チームによって千差万別。たとえばF1やWEC、WRCなどの世界選手権になると小さなロゴですら数億円、大きなロゴになると数十億円と言われているし、国内最大級の人気を誇るスーパーGTのGT500クラスでも大きなロゴを貼り付けようとすると、数千万円から億越えになってくる。

もちろん、国内のステップアップカテゴリーになってくると数百万円から数十万円で大きなステッカーを貼り付けられるようで、小さなステッカーになると協賛金は数万円……、というチームも少なくはない。その結果、ローカルながら馴染みのある飲食店がスポンサーすることも可能だ。

さらに、近年ではクラウドファンティングで活動資金を集め、その対価として個人スポンサーの名前をマシンに貼り付けることも珍しくはない。
なかなか敷居の高そうなモータースポーツシーンだが、スポンサーとしてチームをサポートすることは可能となっているだけに、お金が有り余っている方は気になるチームに協賛してはいかがだろうか?