この記事をまとめると
■宮城県仙台市で開催された東北カスタマイズカーショー■今回はクール・レーシングのブースを取材
■新ブランド「ヴラーヴァ」のカスタムパーツ製作秘話を代表が解説
カスタムカーの域を超えた完成度の高さ!
「東北といえば、昔はVIPカーがすごく盛り上がっていた印象が強いですが、いまはトヨタ・アルファード/ヴェルファイア系に流れているように感じます。東北はうちのグループの全国比で見ても売れている地方ですから、カスタムに対する熱さ、潜在的なニーズは高いですね」。
と、ドリフト系エアロメーカーとして頭角を現し、新車ベースのコンプリートカスタムでもデザイン性が高く評価されるクール・レーシング代表、片岡孝裕氏は切り出した。
東北カスタムカーショーのブースでは、新型クラウン・クロスオーバーなどこれまでもあったローダウン系に加えて、VRARVA(ヴラーヴァ)という昨年末にスタートさせたばかりの新しいブランドによるコンプリートカーを披露した。
ベース車はトヨタRAV4で、「近未来テクノロジー」をデザインの軸とし、ブリスターフェンダーのボリュームがボディ側面にランダムに連なる独特フォルムはワイルドだけどクリーンで、カスタムカーというよりほとんど工場をラインオフした新車かのような、完成度の高さを誇る。
デリカやハスラーのコンプリートキットも製作中
「クール・ブランドはボクがデザイン的なことも手がけていますが、ヴラーヴァは外部からプロの自動車デザイナーを入れて、スケッチから3Dデータまで起こしています。ワイドに見えますけど、フロントフェンダーのボリューム感によるもので、じつはノーマルより全幅は片側9mmしか広がっていないんです。フロント部分はフェンダーやボンネット、バンパーやグリルまですべて交換で、ドアサイドとリヤフェンダーは貼り付けでリヤバンパーは交換。
ヴラーヴァのデザインを秘匿するため、準備期間中は社内でも開発や生産の一部スタッフしかその存在を知らなかったとか。素材はFRP、ウレタン、ABSの3種類を部位によって使い分けているが、面やエッジの繋ぎまでキレイに収まっているところは、インハウスであらゆるパーツが作れるクールならではの精密クオリティが生きる。
「真空注型機といって、金型ではなくシリコンでウレタンを流し込んでグリルなどを成型するのですが、うちはフロントバンパーが丸々1本成型できるほど、おそらく世界最大の真空注型機をもっていますから」。
デザインにもクオリティにも自信をのぞかせる片岡代表は、SUV化は自動車趣味の多様化と捉えていて、ヴラーヴァ第1弾のRAV4に続き、三菱デリカやスズキ・ハスラーのコンプリートキットも製作中という。
「デザインの雰囲気は、近未来テクノロジー的というかRAV4と同じテイストですが、とくにデリカのほうはもっとストロングに仕上げています。
じつは今回、東北で初お披露目したヴラーヴァのコンプリートキットを早速、女性の来場者が購入していったという。クロカンやSUVの領域でも存在感を増している、クール&ヴラーヴァから目が離せない。