この記事をまとめると
■ライター陣が愛車をインプレッションする連載■今回は森口将之さんのルノー・アヴァンタイム
■デザインや壊れにくさ、ロングドライブでの快適性が魅力だという
ドライブ歴の約半分をともに過ごしてきた
運転免許を取って40年あまり。この間いろいろなクルマを所有してきたが、じつにドライブ歴の約半分をいっしょに過ごしているクルマが1台ある。現在も所有しているルノー・アヴァンタイムだ。
最初に出会ったのは1999年の東京モーターショーで、まだコンセプトカーだった頃。市販型がデビューした2年後には、ドイツのベルリンで行われた国際試乗会に参加した。でもこの頃はまだ、正体不明という印象が強かった。
その気持ちが一気に変わったのは2003年2月、生産を担当してきたマトラが自動車業界からの撤退を発表し、アヴァンタイムも運命をともにすることになったからだ。
僕はF1チャンピオンやルマン24時間レース3連覇などを実現したこの前衛集団を心酔していて、ムレーナというスポーツカーも所有したことがある。そんなマトラの最後の作品が、アヴァンタイムになると決まった。一気に手に入れたいという気持ちになった。
お金のメドがついて、現車を手に入れたのは1年後。それ以来ずっと、愛車であり続けている。
ここまで乗れているのは、飽きのこないデザイン、予想以上の使いやすさと壊れにくさ、ロングランでの快適性などがあるだろう。
唯一無二のスタイリングは20年経ってもまったく飽きない!
クーペミニバンという唯一無二のスタイリングは、細かい線や面のつながりまで考え抜かれていて、20年経っても全然飽きない。開放感あふれるインテリアを含めて、モダンテイストであることもお気に入り。
前席優先のクーペと、マルチに使えるミニバンの長所を併せ持つパッケージングも評価している部分。ソファーやテーブルを買って、そのまま積んで帰ったこともある。ドアは長いけれど、ダブルヒンジなので乗り降りは予想外にラクだ。
ルノーだから直進安定性はバツグンだし、高速での乗り心地はゆったりしていて心地よいし、エンジンサウンドやロードノイズが抑えられているうえに、広さも効いていて、乗り込んだ瞬間に家に戻ったような気分になってしまう。
僕はこれまで10台以上のフランス車と暮らしてきたけれど、そのなかでも信頼性はトップレベル。最近初めて、エンジンが掛からないトラブルに見舞われたが、スターターモーターを取り替えるだけで済んだ。
東京都内に住んでいて、公共交通でほとんどの用事は賄えるし、広報車をお借りすることも多いうえに、2輪車2台に自転車もあるので、もっぱらアヴァンタイムはアヴァンタイムがイキイキする場所で乗っている。
そんなライフスタイルも、いつまでも「アヴァンタイマー」でいられる理由かもしれない。

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