この記事をまとめると
■クルマ好きがよく使う独特な言葉や言い回しがある
■クルマに興味のない人には伝わらないことも
■今回は18の例を挙げて詳しく解説
クルマ好きの輪から外れると伝わらない!?
「アールサンニィ」や「エフディースリーエス」など、クルマ好き同士であれば通じるキーワードも、ちょっとその輪から外れると理解不明な言葉だったりします。日本語のようでそうでない会話が自然に成立するのもクルマ好き同士だからこそ。
無意識のうちに意外と使いがち? そんなカーライフ用語をまとめてみました。
面パト
いわゆる「覆面パトカー」の略。達人の域に達すると、面パトの特徴を熟知しているのはもちろん、このクルマが発する独得のプレッシャーを感じ取ることできるとかできないとか。もはやエスパーかニュータイプの域です。見えるぞ! 私にも○が見える!
製廃
「製造廃止」の略。生産台数が終了したクルマの予備部品の在庫がなくなり、再生産の見込みがない状態を意味します。旧車およびネオクラシックカーと呼ばれる絶版車全般に関わる問題です。車種にもよりますが、最近では自動車メーカーが「ヘリテージパーツ」などと称して本格的に再生産をする事例も増えてきました。今後に期待したいところです。

部品が出る/出ない
自動車メーカーなどに部品を注文して在庫があった場合は「出る」、欠品や製廃の場合は「出ない」なんていいます。「ある」「ない」でないのが不思議です。

ホンダ地獄
とくに昭和時代のホンダ車のオーナーにとってはまさに死活問題。ありとあらゆる部品はすでに製廃、代替部品でカバーしようにも専用部品が多すぎて適合しない。ネットオークションに出品されるのはまだいい方で、そもそも入手する手立てがない……など、これから手に入れるオーナー予備軍にとっては相当な覚悟が強いられるようです。

降りる
それまで所有していた愛車を手放すことを「降りる」なんていいます。多くの場合「断腸の思いで」という意図が込められています。何らかの理由でいちど手放し、カムバックすると「出戻り」なんていうことも。

丸ペン(塗った)
いわゆる「全塗装」「オールペイント」のことを指します。ボディ全体を丸々塗装することから「丸ペン」といったり、ストレートに「塗った」といえば、クルマ好き同士であれば、オールペイントの意味だとほぼ通じます。

主治医
愛車のメンテナンスを請け負ってくれるメカニックのことを、感謝と尊敬の念を込めて「主治医」と呼びます。頼れる主治医とのめぐり合わせが、その後のカーライフを左右することもある重要な存在でもあります。

里帰り
車検や点検、修理等で主治医のところへ入庫する、いわゆる「里帰り」。オーナーとしては、愛車があまりにも里帰り好きだと困りものです。そのまま実家(主治医の工場)に居ついてしまったらどうしましょう。

専門店
特定の車種やメーカーに特化したショップのことを意味します。独自のノウハウやネットワーク、また市場では入手困難な関連部品を多数保有していたり(基本的に管理ユーザー向けであることが多い)と、多くの旧車およびネオクラシックカーオーナーのセーフティーネットともいえる重要な存在でもあります。
時代とともに変化していくカーライフ用語
部取り
いわゆる「部品取り車」の略。不動車である場合が多く、置き場所が確保できる人でなければ持つことが許されない禁断の領域。部品取り車を多く保有するのも専門店ならではの強みといえます。

仮ナン
SUV界の頂点に君臨するロールスロイス・カリナンのことではなく、「仮ナンバー」のこと。この仮ナン、なぜか海外にも流失していて、現地のオークションでは相当な高値で取引されているのだとか。

カルガモ走行
仲間内のツーリングのときに使われます。一般道や高速道路など、隊列を組んで目的地まで移動する様はまさにカルガモの親子状態。ツーリングの台数があまりにも多い場合は何チームかに分けることも。

天ぷら
本来であれば別のクルマのナンバーとして登録されているものをカムフラージュとして取り付けていたり、最新モデルのクルマに2ケタナンバー(品川56など)が装着されていたり……と、偽造(中身)をナンバー(衣)隠すために「天ぷら」と呼ばれている(諸説あり)。当然ながら道交法違反にあたります。

密輸
パートナーや親族など、見つかったら確実に怒られる人の目をかいくぐり、穏便かつ確実に手元に届くように手配する、まさに「密輸」。現在は到着日時を指定できるので、不在時を狙えばそれなりの確率で密輸が成功します。ただし、海外から取り寄せたものは唐突に届く場合が多く、なぜかタイミングが非常によろしくない。どうして?

済車
登録済み未使用車、略して「済車」。ホンの数年前まではお得なクルマの買い方のひとつとして有効だったにもかかわらず、いまや済車は絶滅状態。少し落ち着いてきたとはいえ、中古車相場は高値で推移、新車の納期が延びるいっぽう……という状態。もしかしたら「済車(登録済み未使用車)」という言葉自体が死語になってしまうのでしょうか。

札束の殴り合い
ネットオークションにおけるガチバトル(自動延長の応酬)モードに突入した状態を指します。お互いに一歩も譲らず、どんどんと入札金額がつりあがっていく様はまさに「札束の殴り合い」。

ヘンタイ
全裸にコートを羽織り、夜の公園などで女性に対してご開帳するアレではありません。あっちは変質者であり、こちらは行くところまでイッてしまった「ヘンタイ」です。それはほめ言葉であり、尊敬の念も含まれます。「ヘンタイですね」といわれてムッとしているようではまだまだ修行が足りない証拠です。
まとめ:時代とともに変化するカーライフ用語
かつてはAMGのことを「アーマーゲー」なんて読んでいたり、BMWを「ベンベー」といってみたりしたことがある方もいるはず。しかし、いずれも最近ではすっかり耳にしなくなりました。
時代とともに変化していくカーライフ用語。今後、EVが増えていくとしたら……まったく新しいカーライフ用語が生まれてくるに違いありません。