この記事をまとめると
■スーパートール軽と呼ばれる軽自動車はひと昔前はトールワゴンと呼ばれた■20年以上前から販売されており大ヒットしたモデルもある
■ラインアップ拡充のために無理矢理作り上げたモデルもあった
人気のハイト軽は20年以上前からあった!
維持費が安い代わりにボディサイズとエンジンの排気量に制限がある軽自動車。その軽自動車の枠内で広い室内空間を実現するために生み出されたのが、全高を高くするというアイデアだ。
現在はスーパーハイトと呼ばれるモデルが主流となっているが、それ以前はトールワゴンとも呼ばれたハイト軽が人気を集めていた。
現在では、ワゴンRやムーヴなど、車種のバリエーションは縮小傾向になるが、一時期は一世を風靡した、いまは存在しない懐かしの軽ハイトワゴンを振り返ってみたい。
ホンダ・ライフ(2代目)
1970年代に存在していた360cc時代の軽自動車の名前を引っ提げて1997年に復活した2代目ライフは、初代とは異なり背の高いスタイルをまとっての登場となった。

ベースとなったのは軽としては全高が低めのトゥデイだったが、巧みなパッケージングによって人気車種の仲間入りを果たし、軽自動車枠が改定されるまでの1年半という短い販売期間ながら35万台以上を販売するヒット作となったのだった。
スズキMRワゴン(初代)
2001年に登場したMRワゴンは、ワゴンRのコンポーネンツを使用しながらもワゴンRとは異なるワンモーションフォルムを採用し、スペシャリティな雰囲気を纏ったモデルとなっていた。

ワゴンRがベースではあるものの、リヤのショックアブソーバーの取り付け位置を見直してリヤシートのスライド機構をプラスするなど、差別化が図られていたことも特徴だ(のちにワゴンRにも採用されるが)。
MRワゴンのMRは「マジカルリラックス」の略とされているが、じつはデビュー前に登場したコンセプトモデルのMRワゴンでは、ミッドシップにエンジンが搭載されており、駆動方式がMRとなっていたのも面白いエピソードと言えるだろう。
コンセプトカーだったはずが大人気に
ダイハツ・ネイキッド
1997年の東京モーターショーに参考出品され、その無骨なスタイルが話題となったネイキッドは、当初市販予定はなかったというが、反響の大きさから1999年に販売をスタート。
コンセプトモデルのスタイルをほぼそのまま市販化したエクステリアは、あえてビス穴やヒンジを露出させたまさにネイキッドスタイルで、外板パネルの交換も可能となっている点は現在のコペンのドレスフォーメーションの元祖とも言えるだろう。

当時は時代を先取りしすぎた感もあったが、クロスオーバーSUV全盛の現在ではその存在が見直されており、カスタマイズを施された個体が中古車の店頭に並んでいる姿を見かけることも増えてきている。
三菱トッポ
ワゴンRと並んでハイト軽ワゴンの元祖とも言われているミニカトッポ。その系譜の最後を飾ったのが、2008年に登場したトッポとなる。

トッポの前身となるトッポBJは2004年に終売していたが、トールワゴン人気が高まったことで三菱としても自車のラインアップを拡充するために投入されたモデルがこのトッポであり、eKワゴンのプラットホームをベースにトッポBJの後部外板パネルを合わせるという力業で生まれている。
そのため、フロントマスクやインパネなどはeKワゴンだが、リヤから見るとトッポBJという形状となっていたのだが、意外にも違和感なくマッチしている点が面白いところだった。
