この記事をまとめると
■全長5m前後のバンが「ミニバン」と呼ばれている理由を解説■ミニバンの由来はフルサイズバンに対して小さいことから「ミニ」と名づけられた
■最近は日本にもフルサイズバンが導入され、キャンピングカーのベースとして注目されている
世界に目を向けると全長5mでも十分に「ミニ」だった
もしかすると、シン・ゴジラからゴジラのことを知った方は、ゴジラの息子「ミニラ」のことはご存じないかもしれません。あたかもゴジラを擬人化したような愛嬌あふれる顔つきながら、設定上の身長は13mとも18m(東大寺の大仏サイズ)ともいわれ、とてもじゃないけど「ミニ」とは呼び難い怪獣。
これ、国内で走っているミニバンにも同じこと言えそうですよね。
で、アメリカではバンのバリエーションが広く充実していたため、フルサイズからミディアム、そしてミニといった区分けがなされました。フルサイズとなると最近では余裕で全長5mを越え、6m近いものも多数ラインアップしています。
また、ミディアムといってもさほどフルサイズと変わるものではなく、フルサイズと同等のサイズながら、エンジンがいくらか小さいものを指していることが多いようです。
このあたりでおわかりになるかと思いますが、日本のミニバンというのはアメリカの基準を適用した区分けと言っていいでしょう。厳密にサイズが決まっているわけではないのですが、日本を走っているのは総じて「ミニ」の範疇といって差し支えないでしょう。
それにしても、全長4260mmのシエンタや4690mmのセレナに対し、今秋登場予定のレクサスLMは5125mm、ハイエースグランドキャビンに至っては5380mmです。

ずいぶん幅があるにも関わらず、総じてミニバンというのもザックリしてますよね(笑)。
キャンピングカーのベースとしてフルサイズバンに注目
ところで、国内のミニバン人気はいまや鉄板となり、当面はすたれそうにもありませんが、にわかにフルサイズバンへの注目度もあがってきているようです。
もっとも、商用バンとしてではなく、キャンピングカーなどアウトドアライフのお供という使い道がメインストリームとなりそうです。

とりわけ、正規輸入が始まったフィアット・デュカトの人気は目をみはるものがあり、これまでも欧米製キャンピングカーはまあまあの人気でしたが、デュカトは群を抜く勢いです。

3つ用意されたボディサイズはすべてがフルサイズで、最小でも全長5410mm×全幅2050mm×全高2525mmで、最大サイズは全長5995mm×全幅2050mm×全高2765mmともはやトラックと呼ばれてもおかしくない堂々としたもの。
それゆえ、運転席から後部スペースへのウォークスルーはもちろんのこと、ルーフも十分な高さがあるため、キャンピングカーには最適。
ちなみに、宅配便むけにトヨタが発売していた「クイックデリバリー」もサイズはミニバンながらウォークスルー、高いルーフと同じ構造でしたので、入手さえできればデュカト同様に使い勝手のいいキャンピングカーになるはず。

これまで、国内ではフルサイズバンの役目を担うクルマはマイクロバスやトラックといったモデルが主流でしたが、デュカトやアメリカのフルサイズバンの人気が高まれば、国産フルサイズバンだってじゃんじゃん生まれてくるかもしれません。ミニバンだけにとどまることなく、国内のバン人気はこれからも鉄板であること間違いありませんからね。