この記事をまとめると
■新型アルファード&ヴェルファイアの購入事情を探った■値引きゼロが原則のため残価率が高くても先代のようなお得感は少ない
■支払い額をおさえるなら「KINTO」の検討もあり
モデル末期でも高いリセールと大幅値引きが魅力だった先代アルヴェル
先代トヨタ・アルファードの魅力のひとつが再販価値で、日本車としてはかなり高いことがあった。もっとも販売が過熱していたころは、納車直後に下取り査定に出すと、特別なドレスアップを施していなくても新車時のメーカー希望小売価格を超える査定額が提示されることもあったそうだ。
売れ筋のガソリン車であっても支払総額では軽く600万円近くになってしまうので、現金一括払いではなかなか手を出せないともいえるが、残価設定ローンを組んで購入するとぐっと身近なものとなる。
大幅値引きに加え、残価設定ローンにおける設定残価率は5年払いであっても50%前後とこちらも高く、実際に残価設定ローンの試算を行うと、格下のノア&ヴォクシーの残価設定ローンプランにおける月々の支払い額に5000円ほど上乗せすればアルファードが購入できるケースも多発し、アルファードはさらに売れるようになった。
ただし、残価設定ローンにおいて残価率は、ほどほどのレベルで落ち着くのが理想的とされている。残価率が5年払いで50%を超えてしまうと、支払いを続けても多額の残債をいつまでも抱え込むことになり、身動きが取れなくなるのである。仮に支払最終回を迎えたときに、再ローンで乗り続けようとしても、再ローンの支払期間は2年などと短いケースがほとんど。
仮に支払最終回分が300万円ならば、この300万円に金利加えて2年で返済しなければならないので、月々の支払いは12万円を超える。とても現実的とは言えない。車両を返却するか、同じメーカー車へ乗り換えることで清算ということになる。つまり、好むと好まざるに関係なく、同じメーカー車に乗り換えを続けなければならない無限ループに陥ってしまうのである。

その意味では、もともとセールススタッフとのつながりが深いなどの理由で、同じメーカー車を乗り継ぐことに抵抗のない人は別だが、新車へ乗り換えるたびにメーカーを問わず好きなクルマに乗りたいという人には、残価設定ローンは馴染みにくいともされている(最近では他メーカー車からの乗り換えで下取り予定車に残債があっても柔軟に対応するようになってはいるが……)。

5年で残価率は50%と高いが「値引きゼロ」が原則!
それでは新型アルファード&ヴェルファイアではどうなっているのか、販売現場で話を聞くと、「売れ筋ともいえるZでもボーナス払いで年2回20万円ずつ入れても、月々8万円ほどになるケースが目立ちます。車両価格も高くなっていますので、支払最終回分として据え置く、いわゆる残価相当額は残価率が引き続き50%あたりになっておりますので、5年払いでも300万円ほどになります。
残価設定ローンを利用しても、支払い負担が軽くなるともいえない状況に見える。

このようなこともあり、「新型欲しかったけど、買えないね」と諦める人も目立っているとのこと。
諸々を考えると、新型アルファード&ヴェルファイアではKINTO(トヨタの個人向けカーリース)で乗るという選択も魅力が増しているといえよう。「初期費用フリープラン」で、5年契約にてボーナス払いで11万円を払うと、月額利用料は6万2260円となり、あとは自宅に車庫があればガソリン代や有料道路代などを負担するだけとなる。「解約金フリープラン」では、3年契約しか選べないが、申込金43万5160円を払うと、月額利用料は7万7000円となっている。
いずれにしろ、現状では先代モデルほど気軽に乗ることができるクルマというわけにはなっていないようである。