この記事をまとめると
■ひと昔前の輸入車は左ハンドルがステータスになっていた



■かつての輸入車は右ハンドルになるとペダルの配置など不都合な点が多かった



■昔の時代に起こった輸入車あるあるを紹介する



左ハンドル車の右ハンドルモデルは荒削り感マシマシだった

輸入車といえば左ハンドルが珍重された時代があった。いわゆる舶来の高級車としての証みたいなものだったりした。また、いまでは、そこまで左ハンドルに対して特別な思いはないにしても、日本仕様でもわざわざ設定があったりする。

乗ると右折時に対向車が確認しづらいなど絶対的な左ハンドルの問題はあるにしても、装備としてはよくなったと思うことしきりだ。



逆にその昔は、左ハンドルをただ右ハンドルにしただけというクルマも多かったし、左ウインカーはその名残りだろう。今回は当時あった雑な処理について見てみよう。



ペダルのオフセット

これが一番の違和感というか、シャレにならなかった。左ハンドルの場合、アクセルは内側にくるのでスペースに余裕があるものの、それを単純に右ハンドルにするとホイールハウスに当たってしまうため、全体を単純に左へとズラしているクルマが多かった。ズラすとどうなるかというと、国産車の感覚からするとブレーキの位置にアクセルがあるので、間違って踏んでしまう可能性があった。



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慣れてしまえば大丈夫なのだが、バックするときに体をよじると、足もズレて踏み間違えやすかった。ちなみにワタクシも2度あり、壁にぶつけた思い出がある(大事にはならなかったが)。



ブレーキのマスターシリンダーがそのまま

少々メカの話になるが、ブレーキペダルを踏むとエンジンルームにあるマスターシリンダーが押されて油圧が発生、それでブレーキが作動する。運転席の前に付いているのが当たり前なのだが、右ハンドル化のために移動するのは大変ということで、マスターシリンダーは左のままで、ロッドで右側から押すというクルマも珍しくなかった。そうなると、タッチが激悪になって台無しだった。



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ブレーキのマスターシリンダーのイメージ写真



また、某イタ車は右に移してあるのはいいが、配管の設計に慣れていないからか、破損する例が多発したことがある。



大きく困らないけどそれでも痒い場所が残る

ボンネットオープン用のレバー

頻繁に開けることはないので困るほどではないが、いざ開けようとするとまごつくのがボンネットオープナー、いわゆるレバーだ。てっきり運転席の下あたりにあるのかと思って探すと、左側にそのままというのはいまでもたまにあったりする。



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左側にあるボンネットレバーのイメージ写真



ワイパーがそのまま

ワイパーというのは作動範囲が片側にオフセットしていて、運転席側がより広く拭けるようになっている。当然のことではあるのだが、こちらもそのままというクルマがあった。実際に使ってみると、上部の角が拭かれない程度なので困るほどではなかったが。



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フォード・モンデオST220の走行写真



今でもちょっと困るカングーの観音開き

ルノーのカングーにはさまざまな魅力があって、そのひとつが観音開きだ。これ自体は使いやすくていいのだが、問題は観音開きを採用すると、真ん中に合わせ目が来てバックミラーで後方が確認しにくくなってしまいがち。そのため、カングーは後ろから見て右にオフセットしている。



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ルノー・カングー(3代目)の観音開きドア



ただし、これは左ハンドルだからで、そのまま右ハンドル化しているので少々見にくかったりする。ちなみに、日産のキューブは非対称バックドアだったが、左ハンドル仕様はちゃんと逆にしていた。

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