この記事をまとめると
■自分がキチンとした運転をしていてもトラブルに巻き込まれることがある



■だが危険なクルマを見分けられればトラブルを減らすことが可能



■要注意なクルマの見分け方をベテランドライバーの意見を参考に考えてみた



汚れたクルマに傷だらけのクルマは要注意!

アフリカのサバンナに生きる草食動物たちは、獲物を探して駆けるジャガーの気配を機敏に察し、滅多なことではジャガーのそばには近づかない。これと同じく、きちんとしたドライバーは、ヤバいクルマを目にすれば決して近寄ることなく、その場をさっさと逃れるもの。なるほど、ベテランドライバーから見れば、そうしたヤバそうなクルマ&ドライバーはだいたいわかってしまうのだそうで、今回はそんな目利きのコメントをご紹介しましょう。



ヤバい雰囲気といえば、反社会勢力みたいな雰囲気をイメージしがち。ですが、運転歴60年になろうという優良ドライバー、N氏にうかがうと「むしろ、ヤクザな連中はクルマをいつでもキレイにしていますよ。当たり屋なんて稼業にしても、私の知ってる限りピカピカにしてることが多い。道路でヤクザを怖いと思ったことはありませんよ」。



ゆっくりとした口調には何事にも動じない風格すら漂うN氏。ならば、N氏が近寄らない、見たら離れたくなるクルマといえば?



「ヤクザのクルマと反対に、汚いクルマはイヤですね。それも、昨日今日の汚れでなく、ずっと放っておいたように汚れているクルマには注意を払いますよ。だって、クルマに無頓着なことが明らかですし、しばらくぶりに乗ったかもしれませんからね。日本のクルマは欧米に比べて、いつでもきれいにしていると言われるのに、作業車でもないのに小汚いというのはそれだけで近寄りがたいものでしょう」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランド...の画像はこちら >>



まめに洗車をしない筆者は耳の痛いコメントですが、たしかにクルマに無頓着なドライバーっていますよね。



「汚いを通りこして、あちこちへこんだり、キズがついたままのクルマというのも敬遠したいものです。無頓着にもほどがあるうえに、ぶつけたりこすったりの前科があるかもしれないわけで、私から言わせてもらえば『運転をなめている』のじゃないかと思いますね。

言うまでもなく、運転は決して上手ではなく、とっさの判断なども甘いでしょう。もらい事故というのがありますが、相手はたいていこういう輩ではないでしょうか」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランドライバーが語る「危ないクルマ」の見分け方
バンパーに傷がついたクルマのイメージ写真



ほかに、クルマの特徴から見分けられるポイントはありますか?



「いまのクルマではだいぶ少なくなくなりましたが、直線道路なのにまっすぐ走っていないクルマというのは危ないですよね。アライメントが狂っているといったレベルでなく、前後左右のタイヤサイズが合っていないかのような蛇行、コメディ映画のようにクルマが上下に揺れていたり、とにかく妙な動き方をするクルマは近づかないにこしたことはありません。以前、リヤタイヤが左右対称にまわっていない感じのクルマがいて、しばらく後ろを走ってしまったのですが、カーブを曲がる際にそのクルマはリヤタイヤが外れてしまい、こちらは危うくとばっちりを食らいそうでした。追い越すなり、やり過ごしていれば、あれほどヒヤヒヤしなくて済んだんですがね」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランドライバーが語る「危ないクルマ」の見分け方
リヤタイヤが外れたイメージ写真



たしかに、昔は妙な動きをする不調車もよく見ましたよね。ちなみに、タイヤが外れたクルマの車種を聞いたところ「ドイツ製の庶民的なクルマ」とだけ教えてくれました。



ドライバーの姿勢が悪いクルマは危険!

「歳をとったから分別臭くなったのかもしれませんが……」N氏がはにかんだように言葉をつづけました。「ふんぞりかえったような姿勢で運転しているドライバーを見ると、これもまた距離を置きたいと思います。わかったようなことを言いますが、運転そのものがぞんざいといいますか、傍若無人な乗り方をする方が多いような気がします。私も若いころはかなりの無茶をしたので偉そうなことは言えないのですが、窓枠に片腕を乗せたようなイージードライブ(肉声のまま)もまた、とっさの動きがとれません。

こうしたクルマもまた、ヤバい雰囲気といって差し支えないでしょう」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランドライバーが語る「危ないクルマ」の見分け方
片手運転のイメージ写真



それ、よくわかります! ドヤ顔でふんぞりかえってるドライバーって、クルマのトラブル以外でも問題起こしそうですもんね。まさに「触らぬ神に祟りなし」ってやつでしょう。



ところで、運転に対する姿勢だけでなく、クルマの様子からヤバさを見抜く方法ってのはどうでしょう?



「これは白バイ警官から教えてもらったのですが、タイヤの空気圧が指定空気圧よりも明らかに低そうなクルマというのはいろいろと差支えがあるそうです。たとえば、トラックは過積載だとタイヤがつぶれて見えるのだそうで、取り締まりの対象となるのです。言うまでもなく、そんなトラックの近くを走るのは危なくて仕方ありません。普通車でも同じことで、タイヤがたるんで見えたりしたら、注意するに越したことはないでしょう。そのドライバーに他意はなかったとしても、安全に走れるわけありませんからね」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランドライバーが語る「危ないクルマ」の見分け方
パンクしているタイヤのイメージ写真



最後に聞きづらいことですが、〇〇ミサイルなどと揶揄されているお年寄りのはちゃめちゃな運転も社会問題となっています、Nさんのようなベテランから見てもやっぱりヤバそうですか?



「そうですね、歳を取ればとるほど反射神経も動体視力も落ちてくるものですから、高齢者マークですか、あれ付けているクルマには注意するのがベターでしょう。かくいう私も、来年で孫が卒園するので送り迎えもしなくなります。そのときは、免許の返納とやらも視野に入れているくらいですからね」。



「君子危うきに近寄らず」「触らぬ神に祟りなし」! ベテランドライバーが語る「危ないクルマ」の見分け方
高齢者マークを装着して走行するクルマのイメージ写真



なんだか悪いこと聞いちゃったようですが、とにかく道路の上がN氏のようなドライバーばかりになれば、いろいろと厄介ごともなくなりそうですよね。

編集部おすすめ