この記事をまとめると
■「マイガレージ」はクルマ好きの長年の夢だ■ガレージを建てる際にはさまざまな設備が必要となることが多い
■自分だけの部屋としても使えるので、パートナーと不仲になった際には避難所にもなる!?
クルマ好き理想の家「ガレージハウス」に欠かせない要素とは
クルマ好き、ましてや旧車オーナーであれば、いつかは作りたいマイガレージ。気候災害や、紫外線、盗難など、あらゆるリスクから愛車を守ってくれる夢空間です。
立地に関してはそれぞれの予算や環境によって異なると思いますが、設備については種々選択の余地があります。
窓/サッシ
換気目的や屋外からのアクセントなど、窓/サッシのサイズ、形状、固定/開閉など、100人いれば100とおりの選び方があると思われます。ガレージを設計する際、設計士の方にアドバイスを求めたり、実際にガレージを所有する友人・知人に現物を見せてもらうことをおすすめします。こればかりは頭で考えても正解が見つからないばかりか、完成してから「あれ? ちょっと違う……」と思うこともしばしばです。
余分なくらいがちょうどいいコンセントの数
奧さんに「そこまでいらないんじゃないの?」と突っ込まれるくらい、ガレージ内のあちこちにコンセントを設置することを強くおすすめします。のちのち、コンセントが近くにない、または少ない……といった理由で設置を断念するケースだけは避けたいところです。使うかどうかわからなくても壁1面にひとつは設置してもいいのでは……と、いまさらながらに感じています。さらに、DIY派オーナー、あるいは将来ガレージ内に電気自動車を置く可能性があるとしたら、200Vの電源も確保しておくと安心です。

電動シャッター
個人的には多少無理してでも取り付けたほうがいいと思うのが電動シャッター。手動だとその都度クルマから降りて開閉する必要がありますし、シャッターを開け閉めする際の「ガラガラ、ガッシャン音」は、思いのほか周囲に響き渡ります。明け方、あるいは夜遅くに帰宅してガレージのシャッターを「ガラガラガラ」と勢いよく開けるだけで家族が起きてしまうことも。そっと開け閉めするにはそれなりの重量がありますし、1度設置すると壊れるまで交換しないものなので、電動シャッターはぜひ検討してください。

ホームセキュリティ
SECOMなどに代表されるホームセキュリティは、ガレージライフにおいてもはや必須アイテム。盗難防止のための抑止力、魔除けだと思えば、毎月のランニングコストが多少増えてでも導入する価値はあるといえます。そして何より、「ウチはホームセキュリティがあるから安心」という精神安定剤的な役割も案外重要だったりします。
監視カメラ
いまや、ネット通販では1万円を切る価格でも入手できるようになった監視カメラ。スマートフォンを使ってリアルタイムで見られますし、カメラの角度を変えるなどの遠隔操作も可能です。消耗品と割り切って安価なものを買うか、多少高くても名の知れたメーカー品を購入して長く使うか。また、1台だけではなく、ガレージや家屋の周囲に複数の設置することも効果的です。

通用口
家のなかから、あるいはシャッターを開けずに外からアクセスできる通用口があると便利です。その一方で、盗難を企む悪党たちがガレージ内に侵入しやすくなることも事実。ドアの設置場所や種類はもちろんのこと、先述のホームセキュリティや監視カメラをうまく活用し、さらには立地や施主の使い勝手など「本当に必要かどうか」を含め、設計士の方との入念な打ち合わせが必要な箇所ともいえます。

そのときは不要でも備えておくべし!
エアコン
季節を問わず安定した湿度と温度を保ちたいなら、思い切ってガレージ専用のエアコンを設置するのもアリです。基本的に24時間・365日まわしっぱなしで高温多湿な時期には除湿モード。また、いきなりフル稼働ではなく、ひとまず設置してみて「高温多湿な時期だけまわしっぱなし」という使い方もありです。ここまで大切に扱ってもらえたら愛車も本望でしょう。

換気扇
クルマのガレージ保管をする際の最大の敵といえば湿気。とくに梅雨時~秋口までは高温多湿に悩まされる地域も多く、ちょっと油断すると車内にカビが……なんてことにもなりかねません。そこで、ガレージ内の空気を循環させる換気扇も必須アイテム。前述のエアコンを24時間、365日作動したままにできる方は限られると思うので、ホームセンターで売られている除湿剤と併用して、こまめにチェックが必要です。

リフト&コンプレッサー
DIY派の旧車オーナーにとって、ガレージ内にリフトが置ければ……と思った方も少なくないはず。天井高の確保や床に基礎をしっかりと打ち付けるなどのハードルがありますが、自身のガレージで思う存分整備ができるのはかなり魅力です。

排気ガス集煙装置(排気ダクト)
梅雨時や降雪地域の冬場など、長期間、愛車のエンジンがかけられない……。やむを得ずガレージでしばらくアイドリングさせることもあるでしょう。ガレージ内にこもる排気ガスは、マフラーの出口に排気ガス集煙装置(排気ダクト)を取り付けることで対処できます。ガレージの設計時に備えつければ綺麗にレイアウトできますし、DIY派であれば後付けかつ安価で済ませられます。ただし、屋外へ排気させる場所にはかなりの配慮が必要です。設計士の方との綿密な打ち合わせが必要な項目といえるでしょう。
簡単に汚れが拭き取れる床
ガレージの床面はコンクリートを敷き詰めるケースが多いようですが、旧車につきものなのがオイル漏れ。コンクリートにオイルがにじむとなかなか落ちませんが、ガレージに駐車するだけなら段ボールを敷くことで対処できます。見た目にこだわるなら、ガレージの雰囲気に合う柄(タイル柄など)厚手のビニールクロスを上に敷き詰めてもいいですし、DIY派であれば、整備工場のようにリノリウムの床にできれば理想的です。

充分な駐車スペース
限られた立地でどうにかビルトインガレージの家を建てるわけではない限り、愛車の左右のドアが余裕をもって開けられるほどの横幅を持たせることを強くおすすめします。ギリギリのスペースで設計すると、ガレージ内で愛車を磨いたり、ちょっとした作業をするのも一苦労です。万が一、愛車を乗り換えることになった場合、ガレージの駐車スペースが足りないから断念……なんてことは避けたいところです。

余談:談話室(あるいは工作室)
ガレージに隣接する談話室(あるいは工作室)があるだけで「家庭内における自分の居場所」が確保できます(笑)。押し入れに眠っていた雑誌やカタログ、小学生の頃から買い集めてきた秘蔵コレクションのミニカーなど、自分の好きなものを自由に並べられます。勢い余って大画面テレビとソファとパソコンも置いちゃったりして、まさに自分だけの城の完成です。また、DIY派であれば専用の工作室が確保できるだけで作業の幅がグンと広がります。

休日にリビングのソファでゴロゴロしていると奥さまに嫌味を言われますが、談話室(あるいは工作室)にこもっている分には適度に距離感が保てているので黙認してくれルカもしれません。一定の世代には懐かしいあのCM「亭主元気で留守がいい」というわけです(笑)。ただし、気がつけば仲間のたまり場になったり、朝から晩まで談話室(あるいは工作室)にこもっていると、それはそれで小言を言われるので要注意です。
夢と理想のガレージを造ることができたのも、奥さまや家族の理解があってこそ。日々のケアを怠ると、のちのち、大変なことになりかねません。
■まとめ:ガレージは3度建ててみないと理想のカタチにはならない?
筆者自身、数年前に一大決心をしてビルトインガレージの家を建てました。現在、20**年ローンの旅(つまり長旅)の真っ最中です。冒頭の電動シャッターは付けましたが、予算と立地の関係で、上記に挙げた大半の項目を断念しました。

梅雨時はホームセンターで売られている除湿剤を3~4個設置し(設置日を忘れるので容器に書くようにしています)、水が溜まったら交換。
ガレージを造る前にもさまざまな悩みがありましたが、完成したら今度は新たな問題が発生します。「家は3度建ててみないと理想の住まいにはならない」といった格言を目にした記憶がありますが、ガレージも同様。完成してから初めて気がつくことって多いんですよね……。
ガレージハウス、あるいは敷地内にガレージを設置する場合、本やYouTubeだけでチェックするのではなく、実際に友人・知人のガレージ(それも複数)を訪ねて、使い勝手をじっくり確認してみてください。