この記事をまとめると
■かつてアメリカでパーキングメーターを使用する際は小銭が必須だった■いまではキャッシュレス化も進んでおり、カードで決済が可能となっている
■アメリカでのキャッシュレス化の波は、コインランドリーなどにも押し寄せている
いままでのアメリカ旅行では小銭が必須だった
かつてアメリカを旅行するときは、小銭(25セント、10セント、5セント硬貨あたり)を意識して貯め、レンタカーを駐車するときのパーキングメーターに使っていた。
30数年前、大学生のころ初めてロサンゼルスでレンタカーを運転したときのパーキングメーターはもちろんアナログ式であった。25セント、10セント、5セント硬貨それぞれの投入口があり、硬貨を投入してダイアルを回すと、投入した効果の額に合わせた駐車時間までアナログメーターの目盛りが動くというものであった。
公衆電話や自動販売機でも25セント、10セント、5セント硬貨ぐらいは使えたが、ガイドブックには「25セント硬貨を意識して貯めておくと便利」とよく書いてあった。時は流れ、いまではアメリカのパーキングメーターでは一部クレジットカードが使え、デジタル表示とはなっている。ただし、筆者が見た限りではまだ硬貨も使えるようになっていた。
日本ではキャッシュレス社会が叫ばれるなか、パーキングメーターは相変わらず100円硬貨しか受け付けてくれない。現金を持ち歩く習慣がないとも聞くインバウンド(訪日外国人観光客)にとってはまさにサプライズに映ることだろう。

アメリカの駐車場はキャッシュレス化が加速
昨年も訪れた、ロサンゼルス郊外にあるハンティントンビーチの公共駐車場では、駐車料金精算機が進化していた。
まず、駐車場に入るときにライセンスプレート(ナンバープレート)を自動的に読み取り記録される。クルマを停めたら、駐車場周辺に置かれている精算機へ行き、自分のクルマのライセンスプレート番号を入力したあと、どのぐらい駐車するか時間を入力すると駐車料金が表示されるので支払えば精算完了となる。紙ベースのレシートは出てこない。決済方法は現金のほかメジャーなクレジットカードも使え、タッチ決済もできるものとなっていた。

駐車料金を払わずに利用したときにどうなるかは試す勇気もなかったが、改札のない欧州の地下鉄や路面電車などに無賃乗車してバレたときのペナルティはかなり重いと聞いているので、欧米でのこのような自己申告精算タイプで“イカサマ”をすると、そのペナルティは重いのではないかと考えている。
先述のように、駐車場の多くではクレジットカード決済が当たり前のようになっているので、昔ながらの係員のいる駐車場を除けば、現金で払うほうが珍しくなっている。

物価高騰でコインランドリーの利用料金も値上がり傾向が続き、洗濯機で3ドル75セント(約560円)、25セント硬貨では15枚用意しなければならない。乾燥機は使いたい時間ごとに料金は異なるが、1時間使うと2ドルぐらいになるので、25セント硬貨なら8枚必要となる。
コインランドリーには両替機もあるのだが、備え付けの洗濯機にはアプリをダウンロードしてあらかじめクレジットカード番号の登録などをしておくとキャッシュレスで使うことができるとのステッカーが貼ってあった。毎年、南カリフォルニアを訪れているのだが、自然の流れのようにキャッシュレス社会が進み、「便利だなぁ」とつくづく感じてしまう一方で、日本のデジタル化やキャッシュレス化のように、「なんか面倒くさそう」と感じることもある。
利便性を感じることを上まわるケースもあるキャッシュレス化は、対象によってずいぶん感じ方に違いが出るのだと、筆者は感じている。