この記事をまとめると
■東京オートサロン2024が閉幕■会場で展示されていた「DodgeA-Works」にスポットを当てた
■出展したのはハイエースのカスタムを多く手掛ける「TRINITY」
ダッジのA100をオマージュ!
大きな丸目ライトから愛嬌が溢れているのに、車高がぺったんこで、どことなくワルい印象もあるこの車輌。一見して車種がわからないこのカスタムカーの車種名には「DodgeA-Works(ダッジ・A・ワークス)」とあります。
ボディのディティールを見てみると、おでこの感じやミラーの形状から、どうやら現行の200系ハイエースがベースの車両だとわかります。
この車両を手掛けたのは、神奈川の横浜でハイエースやプリウス、軽カーのカスタムを請け負う「T-STYLE AUTO SALES」と、同じくハイエースのカスタムを多く手掛ける千葉の「TRINITY」です。
いまでも人気の高い現行ハイエースだけに、会場を見渡すとあちこちにハイエースのカスタム車両が展示されているのを発見できますが、そのなかでもこの「DodgeA-Works」と名付けられたキャンディレッドのハイエースは、ハイエースに興味を持っている人だけでなく、子供連れのファミリーにも注目を浴びていました。
まずこの愛嬌のある顔つきですが、これは1964年にアメリカの「ダッジ」が発売した「A100」というキャブオーバー・タイプの車種をオマージュしたものだそうです。
「A100」というのは、当時のアメリカに輸入された「VW・タイプ2」、いわゆるワーゲンバスの人気に触発されて起こった「キャブオーバー」タイプの商用車の1台で、その丸目ライトにリングを付けてさらに大きく見せた愛嬌の強い顔つきが人気となりました。のちにこの顔つきをフォローする車種もあったりします。
いまでもカスタムベースとして人気の高いこの「A100」の顔つきを現行のハイエースに落とし込んだのがこの車両に装着された「DodgeA100フェイスキット」です。犬のパグを思わせる丸目が強調されたデザインは、ハイエースのイメージをこれでもかと言うくらいにガラッと変えます。
戦闘的なフォルムのフェンダーキットを採用!
と、このフェイススワップまでは昨年にも出展されていた内容のようですが、今回新たに組み合わせられているのが、昔のツーリングカーレースの「ワークスフェンダー」を思わせる戦闘的なフォルムのフェンダーキットです。
大胆にビス留めされ大きく張りだしたフェンダーに収まるホイールは「T-STYLE」オリジナルの「X-Three」。サイズは前が10Jの後ろが11.5Jという19インチの極太サイズです。履いているタイヤも、前が265、後ろが295幅というレーシングサイズ。
その一方で、リヤハッチはがっつりとスムージングされ、ウインドウは左右に分割されたスプリットウインドウになっています。

ナンバーの位置や、下部に追加されたリヤスポイラー、そして開口部が細く絞られたテールランプカバーとの組み合わせで、アストロ・バンのようなアメリカンな雰囲気になっているのも見どころです。
かわいい顔つきと後部のファニーな処理、それと大迫力のワイドトレッド仕様のミスマッチは、これまで見たことのない不思議な印象を見る人に与えます。
そしてもうひとつ、リヤのウインドウを覗き込むと、「なめんなよ」のステッカーが貼られた、なにやらヤンチャな感じのバイクが積まれていました。

絞りハンドルに布風防、段付きシートなど、当時のヤンチャ・パーツがしっかり装着されたこのバイクは、おそらくホンダの「ホーク(CB250T)」、通称「バブ」ではないでしょうか。最近流行った某マンガにも登場したので再注目されていますね。
ワイドトレッド化されたローダウンの車両に搭載されるのにしっくり来るチョイスだなと感じました。
ちなみにこの隣には、車高を上げてピックアップスタイルにカスタムされた同じ顔つきの車両も展示されていました。
ある意味顔以外はまったく方向性の違う車両ですが、どちらもマツダの「ソウルレッド」でペイントされていて、並んだ印象は性格の違う兄弟のようでした。